第二次ブルガリア王国歴史映画「ヨアン・アセンの結婚」第一部(イヴァン・アセン二世)

 1975年ブルガリア製作。建国の王、イヴァン・アセン一世の息子で、第二次ブルガリア王国最 盛期の王、イヴァン・アセンの半生を描く。原題は 「Сватбите на Йоан Асен」、発音通りに訳すと「ヨアン・アセン」ですが、本作は第二次ブルガリア王国最盛期の王イヴァン・アセン2世(在1218-41年)の半生を描い た大作です(劇中でも、ビザンツ王との会話ではイヴァン・アセン」と発音されていた場合もあった)。上映時間161分。本作は、 約80分の前後編に分かれ ていますが、第一部の題名は不明です。なぜならば、第一部の題名がクレジットされないのにも関わらず、もうそろそろ終わるだろう と思っていた80分を過ぎ たところで突然「第二部」とタイトル付で表示されるからです。そんなに長い映画だとは思っていなかったので、記事の文章が長文と なり、画面ショットも沢山 撮ってしまっているので、2回に分割することにしました。

 イワンのイメージは、若い頃は「ちょっとイメージと違うなぁ」と言う感じだったのですが、年をとって来てからのイメージは、従 来抱いていたイメージとだいたい似たものとなりました。

 この作品の最大の特徴は、前衛的というか、パゾリーニ的というか、奇妙な感覚の映像が多数登場している点にあります。あくまで 現象的なイメージであり、当時の本質とは関係無いに等しいのですが、私の「ビザンツ世界」のイメージは、高校生の頃に学校の図書 館で目にした「ライフ人間世界史〈第11〉ビザンティン (1967年)」 に強く影響を受けています。本映画は、このイメージにかなり近い映像となっており、大変気に入りました。安全に(ブルガリアのサ イトではないところ、とい う意味)dvdが入手できるようになったら購入したいと思います。パゾリーニやルイス・ブニュエル、フェリーニなどがお好きな方 であれば、英語の字幕が無 くても、十分映像だけで結構楽しめるかも。



今回は第一部。

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  老人の独白から始まる(あとでわかることだが、これはイワンの兄弟アレクサンダル公(クニャージ・アレクサンダル))。12世 紀、コンスタンティノープ ル、イソロスカ、ニケイスカ、前皇帝、ボードウィン、何人もの王がコンスタンティノープル征服を目指したが、誰も成功しなかっ た。と語る。ここで映像とし て出てきているのは、左から、ニケーア帝国のヨアン3世、テオドロス2世ラスカリス、エペイロス専制国のテオドロス・コムネノ ス、ハンガリーのアンドラー シ2世(映画ではアンドレイ)。手前はコンスタンティノープルの模型。第二部で登場する。

 続いて結婚らしきものからはじまる。首都タルノヴォ城に5頭立の馬車(前3−後ろ2頭)から出てくる王と思しき人物と、その隣 に座る新婦、歓呼で迎える民衆が映される。向かう先は教会のようだ。

  教会内。総主教の前での結婚式。目の見えない(白眼)の僧侶二人が、まるでゾンビのように手を振り上げてよろよろと近づいてき て、花嫁・花婿に触る。そう いう儀式なのだろうが、ちょっと気持ち悪い。それを見ながら、いまや年老いて禿頭となってしまったアレクサンデル公の回想が始ま る。それは、イワンの最初 の結婚式のことだった。

 若い頃、長髪のアレクサンデルは、結婚式をあげる夫婦と僧侶だけしかいない、小さい教会の扉を内側から必死で抑 えている。式を見届ける為に、背中を扉に押し付け、両腕を後ろ手に広げ押さえ込んでいる。外では兵士たちがドアをあけようと必死 である。それは湖の中の教 会だった。

  対岸では王と思わしき人物も、、臣下・教会関係者、一般の民衆など多数が見守っている。教会内で夫婦は王冠を交換する。式は成立 した。この湖は足首までし か水が無らしく、式をあげた夫婦とアレクサンデル(以下アレク)が娘の父と思われる王の方に向かって、水しぶきを上げながら歩い てくる。アレクと夫(即位 前のイヴァン・アセン2世)は、下記王宮の前で檻に入れられてしまう。王の面前では宴会が行われている。

  場所はどこなのだろうか。そしてこの王は誰なのだろうか。ひょっとしたら説明があったのかも知れないが、どうにも聞き取れなかっ た。やがて下記のような回 転式の鞭打台が運ばれてきて、クニャージ・アレクサンダルとツァール・アッセン(ここで初めて二人の名前がわかる)は、円盤の両 側にくくりつけられ、円盤 の回転とともに鞭打ちの刑を受ける。砂時計で時間が計られる。

  終了後、受刑終了の宣言文が読み上げられ、民衆は歓喜する。湿地帯。遠い地平線という地理的状況、最初の妻という条件から、クマ ン人の地域ではなく、ガリ シアの方だと思われる。13世紀だというのに、王宮が貧相な木造の建築物というのも条件にあっている。そして、こういう強引な結 婚式だったから、妻のアン ナは教会から正妻とはみなされず、アンナとの間にできた二人の娘も嫡出子とは認められず、当時の文献史料の書き手が教会人だった ため、歴史上でも非正妻・ 非嫡子とされているのだった。

 場面は変わり、タルノヴォ城のブルガリア・ツァール・ボリル(在1207-1218年)の宮廷が出てくる。タルノヴォ城は、現 在までほぼ原型通りの遺跡が残り、石造の城は黄色身を帯びている(史跡写真はこちら)。ここで目を引くのは、概観の石はともかく、城内の建物や椅 子、敷石などが白く統一されている点である。非常に奇妙な印象を与える。下記写真の真ん中に映っているのが、カロヤンの妻であ り、カロヤン暗殺後はボリルの妻となったアンナ(史料ではアンナとされているが、はっきりはわかっていないらしい。本作で はスィンケという名になっている為、本記事でも以下スィンケ*1)。遠目にも白塗りの顔と、一際目立つ黒い衣装が目を引く。まる でパゾリーニの映画を見ているみたいである。

 背後からボリルにささやくスィンケ。かなり奇妙というか、怖い映像。

 このスィンケ(アンナ)はトルコ系クマン人であったとされ、イヴァン(以下、映画中の発音に従ってヨアン)の最初にボリルはカ ロヤンの甥にあたり、ヨアンとは従兄弟関係である(ボリル、アセンの血縁関係や妻の系図はこちら)。

*1 一説には、ボリルの二番目の妻は、ハンガリー王アンドラーシュ二世の娘という話もあるらしく、このスィンケは、アンナ(最 初の夫人)とは別人で、スィンケという名のハンガリー人なのかも知れない。

  次の場面は、タルノボ王城を、ヨアンとアレク及びその他諸侯、クマン、ガリシアの援軍、民衆軍などから構成された混成軍が包囲し ている場面である。スィン ケとボリル、その他家臣に向かい、盲目の、手や腕に鎖のついた手枷がつけられたキリスト教徒の囚人が、城壁の上で演説している。 城壁の外で包囲している 人々も、高い断崖の上に築かれた、更に高い城壁の上で、男が城内に向かって演説する姿を眺めている(その眺めている軍。写真中央 がヨアン、その直ぐ右がア レク。左も、包囲戦に協力した公(クニャージ)だが、名前は出てこなかった。顔にメダルを吊り下げているのが特徴である。ヨアン の方は、顔はともかく、ロ ビンフッドな衣装や剣は、即位前のイヴァン・アセンのイメージ通りである。

 演説者は、最後はボリルの命令で弓で射られ、城壁の外に落ちるが、(史実では、7ヶ月にわたるタルノヴォ城攻囲戦の最終局面に 当たる場面の筈である)。奇跡的に命を取り留めたようだ(その後担架で運ばれ、生きている姿が映るからである)。

 総主教が交渉のために出てくる。ヨアンと交渉するが決裂する。そして漸く開城となる。スィンケと顔を合わせたヨアンは、尼修道 院に行くように言う。そのときのスィンケ。まるで古代エジプト王家の娘のようである。

  ボリルは妻と離れたくないと望んだが、こんな女に執着するボリルもだいぶ変だ。ヨアンは、王の部屋に入り、王の椅子においてあっ た冠を自分でかぶり、王笏 と宝珠を持つ。遊牧民っぽい装備のままなのが可笑しい。ヨアンは、 アレクサンドルの背中の怪我に気づき、彼に王冠を差し出すが アレク、要らん、と言い捨 て(自分の領地に)還ってしまう。こうしてヨアンがブルガリア・ツァールとなった。この王の間の壁画も前衛芸術である(実際にこ の頃の壁画が現存している が、ここまで前衛的ではない)。

 前衛的な映像は更に続く。
 地下にあるブランコのベッド。写真の手前には、より大きい真っ白な液体の入った樽が置いてある。


  裸になって、自分と妻の頭に王冠を載せるヨアン。部屋の端のベッドで眠っている子供が寝言を言う。裸で王冠だけつけてじゃれあう 夫妻の映像と平行して、ア レクが地下でブルガリア民衆が奏でる民族器楽を背景に体に包帯を巻く場面が出てくる。このあたりの映像も前衛的な感じ。イヴァン は最後に、「明日、ボリル を処刑する」と口にする。

 雪の中を行軍する兵士。盾に十字架が入っている。ハンガリー軍である。ハンガリー王の軍の装備はあまりそろっ ていないのだった。橇に乗ったハンガリー王の息子コロマンが到着し、アンドラーシュ王(在1205-1235年)がボリルを迎え る。アンドラーシュ王の前 に跪くコロマン。

中央に白装束で立つ人物が司教、その左下で背中を見せて跪いている、黒いぶちが少し入った白い毛皮の人物が、コロマン。少しわか りにくいが、彼と対面で跪いているのがアンドラーシュ二世(本作ではアンドレイと発音されている)。

  この話は、アンドラーシュ王の、1231-32年にかけてのブルガリア遠征であると思われる。ベオグラード、ブラニチェヴォ、 ヴィディンを占領したもの の、アレクサンデルに撃退された、という話。タルノヴォ城の陥落(1217年)から14年が経っていることになる。なお、アンド ラーシュを出迎えた男は、 名前が登場しなかったので(ベーラ、との発音が一瞬登場したが、気のせいかも)、1226-41年の間、スロヴォニア(現クロア チア東部)の公だった、ア ンドラーシュの息子のひとり、コロマンのことだと思われる。

 下記がアンドラーシュ王。


 この役者さんは、Bogomil Simeonov (1922–1991) という方で、前回ご紹介した「カロヤン」でカロヤンの腹心ミラト役を演じた方。次々回紹介予定の「イヴァイロ」でイヴァイロ帝、 「ハン・アスパルフ」で、 アスパルフと対立して第二部末尾でアスパルフに暗殺される司祭を演じた方。他にも、スレイマンのハンガリー侵攻時を描いたハンガ リー映画「Egri csillagok」や、第二次ブルガリア王国最後の王、「シシュマン帝」など、多数の史劇に出演されている方です。

 恐らく、この時点、あるいはこの直後に、ヨハンの兄弟アレクサンダルによってハンガリー軍は破られたようである。行軍している 兵士の片腕がなかったり、馬が疲労で行き倒れるなど、悲惨な行軍の様子が出てくるからである。

 場面は変わって雪山で狩をするヨアンと次女ボレスラヴァが出てくる。狐かテンなにかが罠にかかったのに興奮して喚きまくるマ リア。まるで狂女のようである。どうやらアンドラーシュとコロマンはセルディカ(現ソフィアの古代名)に居るようである。

  ハンガリー司教、ハンガリー王アンドラーシュ、ボリルと一緒に、何故かアレキサンドレの四人でテーブルを囲み、賭け事をしながら 交渉をしている。恐らくハ ンガリー敗戦処理の交渉だと思われる。下記のような、ラクロスのラケットのようなものに四つくらいのサイコロを入れて振り、サイ コロをテーブルの上に転が して点数を競うということのようである。賭けのチップは、金貨そのものを使っている。

 アンドラーシュが大きく勝ったらしく、金貨を総取りする。アレクサンドロスは部屋を出てゆき、地下のような部屋で、いかにも宝 物箱というような箱から金貨を取り出して賭場となっている居間に戻る。話の流れからすると、セルディカでの和平交渉ということな のだろう。

  アレクサンデルが地下に金貨を取りにいっている最中に、ヨアンとボレスラヴァが入ってくる。狩で捕獲した白黒二匹の狐(かなに か)が入った籠を家臣がテー ブルの上に置く。またも狂女のようにはしゃぎまくるボレスラヴァ。そこへ戻ってきたアレクサンデルは驚き、アンドラーシュは唖然 としている。ヨアンは娘の 奇行を気にも留めずにアンドラーシュと交渉を始めるのだった。それはアンドラーシュの娘のアンナ・マリアとアレクサンダルの婚姻 だった。アンドラーシュは 娘はフランス王に嫁ぐ予定だと言うが、ヨアンは「フランスは遠い」といって取り合わない。

 壁に掲げられているバルカン半島とアナトリア、イタリア半島、シチリア島などが描かれた地図のところにハンガリー王を案内し、 計略を説明するヨアン。 

  ヨアンは「北方の国境が安泰になれば、南を攻めることができる。あんたが北の国境を保障してくれれば、南攻めで利益を享受でき る」という。アンドラーシュ が、「コンスタンティノープルのラテン帝国はカトリックだ」と難色を示すと、ヨアンは「まあ、少し考えてみてよ。ラテン帝国は二 つのビザンツ国に挟まれて いる」と、殆ど恫喝するのだった。他にもヨアンはインペラトール・テオドール・コムニ、ビザンティンスキー・クラトールという言 葉を口にしていた。ヨアン は言いたいことだけ口にすると、「私はまだスレデッツ*2にいるから」といいおいて、居間から出てゆくのだった。後を追うよう に、ボレスラヴァとアレクサ ンデルも部屋を出てゆくが、アレクサンダルは、去り際、アンドラーシュとコロマンに、「私は(ヨアンの計画を)全然知らなかっ た」と弁解するのだった。

*2 スレデッツは現ソフィアの中世名称。古代名セルディカのスペルがスラブ語化してスレデッツとなった。10分程前はセルディカと言っていたのに、ここではス レデッツとなっている。両方の名称が使われていたのか、或いはミスかも知れない。

 風呂にはいるアレクとヨアンとボレスラヴァ。アレクはサウナに入るのだが、ポドロフスキーの映画「ホー リー・マウンテン」に登場する精気吸い取り機に似ている。こういうところが前衛的。

  ボレスラヴァとヨアンはそれぞれ別の風呂桶に入る(ちゃんとカーテンで仕切りがされている)。はしゃぎまくるボレスラヴァ。どう みても知恵遅れの狂女がは しゃぎまくっているようにしか見えないが、ヨアンはアレクに、アンナ・マリアとは自分が結婚する、と告げる(この辺の理由はよく わからなかった。アレクは もともと結婚したいと思っていなかったようなのだが、ヨアンが結婚することに驚きを示す。それは、現在の妻のアンナを離縁するこ とになるからだった)。

  夜。聖歌が響く無数の蝋燭の立つ地下道のようなところを、黒マントの老婆に連れられて、やはり黒マントでこそこそ移動するアン ナ。その先には総主教がい て、彼はアンナの髪の先をちょっとだけ切る。これは、修道院に入る儀式なのかも知れない。そしてアンナに黒マントがかぶせられ る。同時に場面が明るい昼間 の場面となって、ヨアンが、新妻のアンナ・マリアに白いブーケをかけている場面に切り替わる。ハンガリーから王女を娶った結婚式 の場面になる。


 僧院に入ったアンナに会いに来るヨアン。お前のことは忘れたわ、と娘のボレスラヴァはヨアンに告げ、馬で遠乗りへと僧院を出て ゆく。僧院の中庭でがっくりと崩れおちるヨアン。

 2階に上がると、スィンケもいる。冷たい目つきでヨアンを見るスィンケ。その後、僧院の2階の奥の部屋で、すっかり短髪になっ てしまったアンナと会う。出て行って!とアンナ。これ以上何が欲しいの?と妻に追われ、プロヴディフ(の町)。アセン城(コレ)も、と答えるヨアン。インペラトリズ(皇帝権)は?と元妻に問われるヨア ン。

 僧院を従者カロヤンと駆け落ちするボレスラヴァ。だが追っ手が。あっさり包囲される二人。剣を抜く娘。お決まりの台詞、「王の 娘と知っての狼藉か」と剣をつきつけるも、迫力負け。あっさり剣を差し出して、二人は宮廷に連れて行かれるのだった。

  どうやら、それから少し時間が立ち、ボレスラヴァの政略結婚の為の使者を選ぶ宮廷の場面となる。そこに、娘の元恋人カロヤンが 戻ってきて、割れたガラスの 花瓶で右腕を負傷して倒れている。あまり説明が無い場面だが、どうやら、カロヤンは、ボレスラヴァの結婚を知って、(追放の身で あったものの)戻ってきた らしい。しかしどうにもならず、ヨアンは、(ビザンツの)皇帝(この場合はエペイロス専制国の皇帝)出迎えにきている国境の使者 に立つようアレクに言って 去るヨアン。ボレスラヴァがエペイロスに送られるのだった。

 国境へ向かうアレクの馬車は5頭。皇帝のも5頭。アレクの馬車には、梟の巨大な彫像が両側についていたりするが、傍目にもエペ イロス皇帝の馬車と比べると洗練されていない。これがアレクの馬車。ボレスラヴァ自ら御者を務めている。

 これがエペイロス専制国の馬車。

 エペイロス皇帝は、「テオドール・コム・ドゥクス・アンゲロス。 全ローマのインペラトールだ」とボレスラヴァに自己紹介。ボレスラヴァは、「イヴァン・アセン・全土ブルガリアのツァーリの娘ボ レスラヴァ」と自己紹介す る(ボレスラヴァの発音は殆どヤロスラヴァと聞こえる。ロシアにボレスラヴァという名前が無いことから、ブルガリアやポーラン ド、チェコのボレスラヴァ は、ロシア語のヤロスラヴァと同じなのかも?)。続いてエペイロス皇帝は、家族をひとりずつ紹介してゆくのだった。

 テオドルの妻ザーヤ(ゾエ)、 テオドル・コムニ・ドゥク・アンゲロ・インペラトルナ・全ロメイのインペリアタの息子ディミタ ル・コムニ・ドゥク・アンゲロス、テオドルの娘イリーナ・コムニ、などなど。そして、インペラトル・テオドル・コムニ・ドゥク・アンゲロの弟マヌエル・ドゥク・アンゲロを 紹介された時、ボレスラヴァは衝撃を受け、恐れおののき、逃げそうに馬車に乗るが、アレクに睨まれ、結局戻ってくる。これは確か に嫌かも。ああそれにしても、なんてステレオタイプなビザンツ貴族像。いい味出てます。

  エペイロス帝国の王宮。宮廷では宴会が開かれ、テオドルとアレクが交渉している。テオドルは、皇帝テオドルの弟イマヌエルとボレ スラヴァの結婚を申し出た ヨアン・アセンの書状を元に、城の貸与(領土の割譲)を交渉しているようである。息子のディミタルもいるぞ、といっているので、 テオドル皇帝は、弟マヌエ ルを警戒しているようである。これがエペイロス専制国の宮廷。そうとうヘン。カリギュラかネロの宮廷みたいだ。テオドルが、演舞 を見ながら、「アレキサン ドリアにはどんな連中が住んでいるか知ってるか?」などと言っているので、このオリエンタルな人々はアレキサンドリアから来たの かも知れない。


 何を目標においているのか?とテオドルにアレクが聞くと、コンスタンティノープルと答え、都奪回の野心を口にするテオドル。  これがテオドル皇帝。後方がアレク。結構普通の皇帝そうだが、

一皮剥くとこんな感じ。

 いかにも卑怯くさい目つきがいい。右手はアレク(ここで初めてアレクの称号、セバストクラトールがテオドルの口から出てく る)。

  ブルガリアへ戻ったアレク。風呂からヨアンに書状を渡す。これで全部か?と尋ねるヨアンに。欲しがっているものは、とアレクが答 える。テオドルは都へ向か う話をしたろ、とヨアン。どうしてそれを、と驚くアレクに、わからないでか、と返すヨアン。蝋燭の火に照らし出されるヨアンの顔 はもう悪人顔。ヨアンはと んでもないマキャベリストだったんですねえ。アレクシオス一世を思い浮かべてしまったのでした。

 第二部へ続く。
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