研究会について

1.関節疾患理学療法研究会の設立趣旨と活動内容

関節疾患理学療法研究会は、20055月、ごく少数の仲間が集まり、同好会的な
色合いを持ってスタートした。設立趣旨といっても、何か大きな目標や志があった
わけでもない。

「美味しいラーメン屋は、皆に紹介したい!」的な発想が、本研究会の設立趣旨の
根幹にあった。

全国津々浦々、深い見識と優れた臨床力を持つセラピストが大勢いる。
そんなセラピストと出会うたびに、皆に教えたくなる。そうした発想が研究会の設立へと
発展していったのである。その基本コンセプトは今でも変わってはいない。



研究会といっても、何か定期的な勉強会や刊行物などを発信しているわけではない。
会員制という枠組みもない。会員制ではないので、もちろん入会金や年会費も存在しない。
活動内容は、主に関節疾患の理学療法に関する臨床トピックスをテーマに、年数回、
講習会やシンポジウムを開催している。もちろん、興味があれば誰でも参加可能である。
過去5回のシンポジウムは、神奈川、大阪、愛知、福岡、東京で開催され
参加者の総数は延べ1500人を超える。



研究会で企画する各セミナーの基本コンセプトは、関節疾患を重力環境への適応障害
として捉え、そこから合理的な力学対応を再構築していくプロセスを模索するものである。
機能解剖学、病態運動学、神経生理学、認知心理学など様々な視点から、
関節疾患に対するアプローチを検討することがメインテーマとなる。
我々の目指すものは、そのセラピスト自身の治療コンセプトの創造に役立つ情報の提供
であり、テクニカルベースの技能講習を行うものではない。
各種の治療テクニックに関しては、その道のプロフェッショナルが各地で講習会を開催して
おり、そうした講習会の受講を勧ている。あくまでも治療戦略を立案するための
ガイドラインを提示する内容であり、「○○法」という単一概念にこだわらず、
各種のテクニックをどのように使って患者さんの治療を行えばよいのか?
各種の治療テクニックを道具として捉え、その道具の活かし方をユーザーベースで
模索するのが我々の講習会の役割だと感じている。

 

2.研究会の組織


我々の研究会を一言で表すならば、「遊牧民」的な研究会と言えよう。
活動拠点や研究会員などは持たない。年間計画も大したものは作らない。定例会もない。
おおよそ気まぐれな研究会である。



シンポジウムや講習会の開催も、オファーがあればどこへでも行く。
どこかの誰かが、「我々の県で、シンポジウムを開催したい」と立候補してくれたら、
そこが次の開催地に決定する。事務局やスタッフは、開催地のメンバーが招集する。
大まかなテーマや、講師の選定など、基本的な決定事項については、研究会の幹事が
相談に乗るが、ほとんど全て御当地任せになる。基本ルールは、独立採算、赤字・黒字を
出さないこと。何とものどかな研究会だ。まるで研究会自体がバザールのような感じで、
日本全国津々浦々、呼ばれるままに西へ東へ、バザールの移動とともに、何かを求めて
人が動く。


そのようなわけで、回数を重ねるごとに、徐々に仲間が増え、横のつながりが
張り巡らされていく。講習会を誘致してくれた地域には、それをきっかけに新しい研究会が
発足するという例も多々あるようだ。そんな遊牧民的性格の研究会だが、昨今、
そうも言っていられなくなった。やはり、多くの参加者が来訪する講習会を
企画運営していくには、それ相応の本部事務局のようなものが必要になってきたのだ。
基本スタイルとコンセプトを持ち続けながら、より発展的な活動をしていくには、
活動を統括する管制塔のような存在が必要になる。そこで、昨年、研究会の活動を
統括する統括本部を設置することにした。また、大きな問題として、税法上の問題が
浮き上がってきた。講習会の受講費用は、基本的には必要経費を参加人数で割って、
余剰金を残さないという設定で予算立てをしている。しかし、参加者の数が増加する中、
より大きな会場の確保が必要になり、会場使用料も数十万円という高額な費用が
かかるようになってきた。そのため参加者の人数が予想を割り込むと大幅な赤字を
生み出すことになる。そのリスクを避けるため、参加人数が予測を下回った場合にも
赤字にならないように参加費を設定しなくてはならなくなった。しかし、予測に反して
参加者の人数が予測を上回ると、講習会の収支は黒字になってしまう。
実は、この黒字決算が、厄介なのだ。税法上の問題が発生してくるのである。
その収益はいったいどう税務処理されるのか?また、参加費の領収書も公式なもの
でなくてはならない。税法上、実態のない任意団体では、領収書の効力が無いに等しい
など、研究会を管理運営していく上で、大きな問題が生じてきた。

そうした問題に直面し、もはや素人集団が太刀打ちできる域ではないと判断するに
いたった。そこで、関節疾患理学療法研究会は、その運営の一切を企業に委託することに
した。幸いインターリハ株式会社が、研究会の活動を全面的に受け入れてくれることに
なり、20076月をもって、研究会の業務はインターリハ株式会社教育事業部に移管
されることになった。

ここに、企業が理学療法士の卒後教育に参入するという新しい形の事業が展開されること
になった。


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