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説明: 説明: 木と太陽

 

当事者・親・兄弟姉妹の会(家族会)
 

 摂食障害の家族に関心のある人であれば、だれでも参加できます。いまのところ患者さんご本人、ご両親、兄弟姉妹のひとりが悩んでいる人、関心を持っている方、そして治療者が参加しています

説明: 説明: sonota%20(5) 

「当事者・親・兄弟姉妹の会(家族会)」のご報告

76回:201749日(日)13:0015:00

会場:ミューザ川崎

今回も参加者は2名、ふたりともお母さんでした。スタッフはわたしのほか2名でした。まず初めに「いまの気持ちを絵に描いてください」ということでおねがいしました。スタッフも一緒に描いて気持ちを共有しました。そしてそれぞれが描いた絵を説明しました。例えばこれからのことがいい方向にいくのか、悪い方向にいくのかという不安を表したり、ひきこもりの状態から外に向かって歩き出す願いを込めた絵が描かれました。そのような絵を題材として娘さんのことが語られました。そして以下のようなことがキーワードとして浮き彫りにされました。

@自立のテーマ:我が国の家族関係では、外国と比較してもいつまでもこどもたちは親に依存した関係が持続します。いくら年をとっても親がいれば依存関係は持続します。最近では60代の男女が親への依存関係の物足りなさから入院し、森田療法を受けています。第1期の臥褥で自己をみつめ、第2期の院庭散歩で外界を観察し、一輪のバラの花に気づき、自己の人生と照らし合わせ、もっとすなおに生きようと気づいたり、2羽のトンビの仲のよさに自己の夫婦関係の至らなさに気づいたりします。このように外来や入院を体験する患者さんたちはいずれもいつしか陥ってしまった「思考の檻」の中でもがき、それが自らが作り出したものと気づいた時に、その檻から解放されるのです。このような「思考の檻」づくりは実は幼小児期から始まっているといえるでしょう。とくにそれは養育者との関係の中で作られています。例えば4歳のころに2番目の弟や妹が生まれたときに、必然的に母親や他の家族の目は赤ちゃんの方にそそがれ、じぶんは見捨てられたという体験をします。親からの愛情を確認できればよいのですが、それができない虐待などを体験したばあいには、事態は深刻になり、大人になるまでその影響は大きいといえるでしょう。

Aひきこもりのテーマ:いじめなどが契機で不登校からいつしかひきこもりを続けます。背景には対人恐怖的な心性が考えられます。この場合に本人がどの程度現実をみているのかということが判断材料になります。自らドアを開けて外にでる力があるのかどうかという判断が重要になります。

 

スタッフ含めて6人でした。机を囲んでゆっくりと話すことができたのはよかったと思います。またスタッフは最近はもと体験者で臨床心理士や医療社会学の院生、そして薬剤師などで、さまざまな視点ではなしあうことができるようになっています。

 

72回:2016910日(日)13:0015:00

会場:ミューザ川崎 会議室2

 

 親の参加が2名で当事者の参加が1名そして事務局のスタッフが5名でした。少ない参加者でしたが、大変内容の濃い話し合いができたように思います。

まずいつものように実行委員長の渡邉が30分ほど森田療法について話し、森田療法からみた摂食障害の心理機制と治療法について話しました。とくに「かくあるべし」という考えにとらわれ、「かくある」自分や事実と乖離してしまう病態であること、治療にあたっては自己自身にそなわっている自然な欲求を引き出していくことが主眼となる。

 

参加者の間で話題になったのは以下のような点だった。

*発症当時は思春期の反抗と間違えた。

*ひとが怖い、みなの中に入っていけない。

*こどもに過干渉だった。他の子と比較してしまった。

*すなおでいい子できた。

*一歩が踏み出せない。

*体型へのこだわりはいまはなくなって、適当でよくなった。

*位心地よい環境に自分をおくようにしている。

*味方になってくれるのは家族しかいない。

*一番じゃないのにほめられていやだった。

*親が悪いのではない。

*義父母とともにくらすことで、姉のこどももいて比較されて・・・いい子でいよう。家のことすべてわたしが・・・母親を守るためにも

*摂食障害は病気でしょうか?

 

などが話し合われました。病気でない・・・お母さんを守りたいというのは子供としては自然な欲求です。ですから病気ではありません。

病気・・・本来の自分を出さずに仮面をかぶって演じているのは、やはり自己自身に与えるストレスは大きく、病気といえます。

 

などとても有意義な時間でした。

 

 

71回:2016723日(日)13:0015:00

会場:ミューザ川崎 会議室2

 

直樹先生からのご報告

4名の母親と1名の当事者、そして3名のスタッフで行いました。あっという間に3時間30分が過ぎました。涙あり、笑顔あり、この会の存在意義を改めて実感しました。個別相談もお一人ありました。

食事に多額のお金をつぎこむ、親としてそれを許してしまっている悩み、低カリウム血症があり、働きすぎと過食嘔吐があるがなんとか医療につながったので少しいのちに関してはあんしんできたこと、時々不登校になり、自室ではねたままで過ごしているが学校では明るく過ごしている我が子にどうかかわったらよいか、結婚して1児を設けているが、自分の行動や決断に自信がなく母親にきめてもらうなど様々な悩み、が語られました。当事者の立場としてどうおもうかも語られました。有意義な時間であったと思います。

 

67回:2016214日(日)13:0015:00

会場:ミューザ川崎 会議室1

 

参加者

母親、母親と娘(当事者)、当事者、薬剤師、直樹先生、スタッフ2名の8

 

直樹先生からのご報告

人数的には(スタッフ4名)少なかったのですが、内容の濃い話し合いができたと思います。まず実行委員長の渡邉がいつものように導入的な話をしました。テーマは「ゆるやかなつながり」でした。このことばは元々岡檀さんが自殺希少地域である徳島県海部町の住民調査の結果唱えたものですが、摂食障害の治療にも役立つと思いました。摂食障害では、実際にみえるところで食べ吐きに悩みますが、見えない部分では家族関係や友達関係に悩んでいます。Aさんは娘さんのことを、BCさんはおやこづれでBさんの悩みを、Dさんは1月依頼の当事者でした。そのほかはスタッフでした。つながりのありかたがテーマになり、つながりがあっても窮屈な場合は、過剰な介入や恐る恐る関わるといった人間関係で、安心できるつながりをどのように自分自身および周囲と築いていくかが課題と思いました。医療とつながってはいても、なかなか本人自身が自分を受け入れることができず、なにをするにもなにをどのようにしたらよいのか判断できず、苦しんでいる実態が報告されました。この家族会に過食はあっても毎回参加することで、世間との距離を修正することができるというDさんんもいました。これも「ゆるやかなつながり」ではないかと思いました

。メンタルホスピタルかまくら山では4月から森田療法を中心とした医療体制が築かれ、対人恐怖症や強迫性障害、パニック障害などの神経症的な患者さんを受け入れる予定ですが、過食症に対しては10日間の絶食療法も身体的に異常がみられないケースの場合には行うことができます。(文責:渡邉)

 

直樹先生のお話

摂食障害の食べ吐き等の症状は家族や回りの人々とのゆるやかなつながり…多様性を認めあった安心した人間関係がない場合に、そのストレス症状として現れるのではないか。家族、学校、職場などでゆるやかなつながりが持てるようになると良いですね。家族会でもそれを目指して皆さんに安心できる場を提供していきたいと考えています。

 

話し合われた内容

まず、1人で参加した母親から、娘の大学進学が決まったが、間食時の食べ吐きなどまだまだ心配だと話がありました。

次に母娘で参加した当事者からも仕事が決まり人間関係なども良好だが、食事が心配で友達に会えない、遊べないなど生活に楽しみが持てないのが悩みだとの話が。

そこで別の当事者からは私もそうです、食事ができない→友達に会えない→ダメな自分と思ってしまう時がある。でもこの家族会に参加すると元の自分に修正できて気持ちが楽になると感想が話されました。

また別の母親からは、どんなにがんばっても時期が来ないと変えられないことがあるように思う。私の娘もその時その時出来ることだけをして時間をやり過ごしてるうちに治って、結婚して子供も生まれた。今出来ないことを数えるより出来るようになったことを数えながら辛い時期をやり過ごせると良いですねと経験談が話されました。

 

51回:201446()13:0015:00  

ミューザ川崎シンフォニーホール 会議室

スタッフ6(精神科医(渡邉先生)・母親・管理栄養士)

参加者:当事者7

 

 事務局のメンバー6名のほか、参加者7名計13名が参加しました。初めに渡邉が「檻」について30分話しました。外から作られた檻としては、学校の勉強やテスト、授業や行事などの「しなければならないこと」が当事者に重くのしかかってきた場合にはそれが檻のようなものとして本人に重くのしかかってきます。ある母親は中学1年から発症し、過食・嘔吐を続ける娘について、現在中学3年で、学校が始まるが本人は自信がない。背中を押したほうがいいのかどうか判断できないといいます。この時にやはり親としてついつい本人のプロセスを邪魔してしまうことにならないかどうか?やはり大事なことは本人の気持ちに向き合うことであろうし、その中で得られた結論であればそれは娘さんにとってマイナスの影響にはならないのではないだろうか?最終的には本人自身の自立に向けたプロセスが進行していくものと思います。もう一つ印象的であったのが、「数字で自分を判断されるのはいや」という拒食症の女性です、確かにこれまでの当事者に対して、さまざまなことが数値化されてきました。もちろん身長や体重、そして年齢やさまざまな数字の中に自己が埋没してしまいそうです。そのような自己は単なる客体です。そうではなくて数字では図ることのできない、自分がいること、そのことに価値を見出そうとする発言だったのです。とかく親の立場でもこのような発言の多いことがわかります。「もう20歳でしょ」とか。実際このような発言に、本人も影響されてしまうのですが、この会では数字ではない、あるいはお金では買えない自己を大切にしていきたい。このように家族会での様々な参加者の発言から、わたしたちは学ぶことが大変多いのです。そしてこの作業は縦ではなく、横のつながりを実現し、真に安心して笑うことができる会になると思うのです。

(文筆 渡邊直樹)

 

41回:2013217日(日)13:0016:00 

高津市民館

参加者:当事3名、母親4名、父親2名、

スタッフ:渡邉先生、杉田、磯ヶ谷、子籠

 

「自由にしなさいほど、私を苦しめる言葉はない!」

 

 これは、当事者のお子さんが重要な決断に悩んでいたある時に、母親の「あなたの自由にして良いのよ。」との声かけに対するお子さんの返答です。

 

会では、参加された当事者の方々に、もし、同様の言葉をかけられたらどう思うかを質問しました。

ある方は、そんなこと言われても、自分が何をしたいのかが分からないため、どうして良いのか分からないとのことでした。

 

私は、このようなやりとりを聞きながら、一体何が問題なのかが分かりませんでした。なぜ、物事に対して自由な選択をして良いと言われることが苦痛になるのか。むしろ、自分が好きなようにして良いのだから、嬉しいことなのでは?と思いました。

 

話し合いの中で、参加者の方が「なぜ?」に対する一つの解釈を述べてくださいました。

それは、今まで当事者は親が期待する行動・選択をしてきたため、親が自由にしなさいと発言しても、この言葉の裏にある親の期待に応えようする、とのことでした。

 

つまり、親の本当の気持ち(自由にして良いと言ったけど、親の意見では本当Aの選択肢を選んでほしい。)を読み取ってその選択肢を選ぶ場合があるようです。

あるいは、急に自由にしなさいと言われても、自分の本当の気持ちがなくどうしたら良いかが分からず、苦しむとのことでした。

 

以上のことを踏まえると、自由にして良いという言葉は、当事者を突き放すことに繋がる可能性があるかもしれません。

親の期待を押し付けないように、子どもがどうしたいのかを一歩ずつ一緒に考えていくことが求められているように思いました。これも、当会が摂食障害からの回復の重要項目ととらえている「寄り添って考える。」ということにつながると思います。

「寄り添って考える」ことは、とても、とても難しいことだと思いますが、その寄り添い方の一例を教えてくれたのが今回の会だったように思います。

(文筆 子籠智恵子)

 

40回:2013127日(日)13:0016:00 

ミューザ川崎会議室

参加者:当事者6名、母親5名、父親1名、関係者1

スタッフ:渡邉先生、杉田、磯ヶ谷、下地、子籠

 

「私を信用するなら ほっといて!」

 

あるお母様が、まだ症状が良くなかった時の娘さまから言われた一言だそうです。 

今日はこの言葉について、当会の視点から考えてみたいと思います。

 

まず、ご家族としては、外見や言動が大きく変わっていく娘さんを心配でたまらないことと思います。例えば、「このまま少食が続けば、命の危険があるのでは・・、折れそうなほど細い体なのに激しい運動をしている・・。」など、例をあげれば、枚挙にいとまがありません。

そして、ご家族が心配されるあまり、娘さまの食事内容などに対して敏感になり、「料理に油を使ってカロリーを高くしよう。」「お弁当にたくさんご飯を詰めよう。」など、ご家族が娘さまに対して過干渉といえる状況になる可能性があります。

その一方で、娘さまとしては、「食べなきゃいけないのは分かっているけど、食べられない。なのに、親はこんなに弁当の量を多くして、私を太らせようとしている。私の気持ちを分かってない!」と感じ、不安が助長された結果、さらに「体型」や「食事」に固執することがあります。

つまり、ご家族の過干渉が娘さんの症状を悪化させる可能性があります。過干渉は、ご家族が不安を拭い去るための一方的な行動であり、娘さんの気持ちを考慮していないのかもしれません。

 

冒頭の言葉のように「私を信用するなら、ほっといて!」。この一言を発せられた家族は、困惑や不安が残り、たとえ理解しても実行に移すことは至難なことです。

しかし、娘さんにとっては、親の過干渉が自身の症状を悪化させることに気付き、昔から感じていた過干渉をやめてほしい気持ちを、勇気をもって発したのではないかと思いました。

 

当会で回復されていった方々を拝見していると、「なるようになる。」ご家族も娘さんもそう考えることが、回復への道につながったようです。娘さんが今感じていることは何か、ご家族が不安を拭い去るための一方的な行動になっていないかを振り返り、サポートをしていくことが大事であると感じました。

(文筆 子籠智恵子)

 

33回:2012129()13:0015:00  

ミューザ川崎シンフォニーホール

スタッフ4(精神科医(渡邉先生)・母親・管理栄養士)

参加者:当事者5人 夫婦4組、親子1組、母2名、当事者5

 

 今回、渡邉先生は当事者を取り巻く医療の現状についてお話をされました。この一部を紹介します。主に摂食障害の治療は病院やクリニックにて行われています。しかし、病院は入院医療、クリニックは薬物治療が中心となっています。病院は、体重値のみを判断基準として入院の有無を判断しており、クリニックはどの薬を処方するかということでした。渡邉先生は、現状の治療方針を改善する必要があると考えています。病院については、入院は必要最小限にする、摂食障害専門の病院を創設する事。クリニックは、薬物治療のみを考えずに、患者の話を傾聴し共感する。つまり、何が当事者を生き辛くしているのか、この問題を気付くことができる医師、看護師、心理士を育てる事が充実した医療につながるとお話されました。

 私は、この話を伺いながらこの家族会は、体重で当事者を判断せず、当事者も家族も含めた参加者の話をそれぞれが傾聴し、共感していると思いました。そして、傾聴・共感が参加者に問題を整理するような自己成長を促し、寛解していく姿を何人も見てきました。そして、会自体に一定の方向性を導き、今の会があると思っています。摂食障害とお別れするのは、医者でも薬ではなく、傾聴と共感の上に成り立つ、人とのつながりだと思います。

 長く当会に関わっている母親の方が、「この会に来るタイミングが遅すぎるという事はない。この会に来るのが摂食障害から治るための第一歩。今まで一人で抱えていたものを吐き出して、気分を楽にしてもらいたい。今の考え方を変える手助けはできると思う。」とお話されました。摂食障害は、誰ひとりとして同じような人はいない。だけど似ているところもある。だからこそ、一つの円になって分かち合う意味があると思います。ご都合のよい時に、いつでもいらして下さい。心よりお待ちしています。

(文筆 子籠智恵子)

 

32回:20111211()13:0015:00 

 ミューザ川崎シンフォニーホール

スタッフ3(精神科医(渡邉先生)・母親・管理栄養士)

参加者:当事者5人 親3人 (うち親子1組)

 

○親子関係と症状緩和

一人暮らしのAさんは、大学在学中に過食嘔吐となりました。母親に打ち明けたところ、学校もバイトも辞めて実家に帰ってきたら?と言われたそうです。

「学校もバイトも辞めても良いという考えがなかったので、気持ちが楽になった。

母が2週間くらい来て、沢山話して、沢山食べて症状が落ち着いた。この2週間、一緒の過ごした事で、母親に色々と言えるようになった。」そうです。

思いもよらない母親の声かけが、Aさんの思考の変化、解釈の修正につながり、その結果Aさんの気持ちにゆとりが出たのではないでしょうか。

 

○親に本心を伝える事の重要性

その後、Aさんは、自分の生活を変えたいと母親に話したところ、家族のことばかり心配されたそうです。その事に激しく憤りを感じ、生まれて初めて母親に反抗しました。母親に意見を受け入れられ、これがきっかけで、「すごく仲良くなった。症状を笑い話にできるようになった。」とお話されました。

 家族会では、症状は言えない気持ちを表現する手段と考えています。このため、親と喧嘩し、本心を言い続けること、そして親が受容することが回復につながる一つの方法とお伝えしています。Aさんの場合も、本心を伝え、親に受け入れられた事でとても気持ちが楽になっていったと思います。

 

○現在の状況

現在は、「月に1回くらい母親が来る度に、一緒に飲みに行くほど今はすごく仲が良い。

小さい頃の事を考えると、今の方が幸せだな。摂食障害になったおかげで、母や妹と隔たりなく、夫婦関係もすごく仲が良くなった。本当に良かった。」とお話されました。

 

○家族会の意義

最後に、家族会がどんな役に立っているかをお話されました。食事に関することや、生きづらさに悩んでいるメンバーと出会うことで、一緒だなと思うそうです。これは、悩んでいるのは自分だけではないと分かり、孤独意識の緩和につながっているのではないでしょうか。

また、他の母親の話を聞くことで、間接的に、母親辛さや努力を知る事ができる。自分との関係だけでなく、母親は、周りから厳しい言葉を投げかけられていることを知ったそうです。家族会の後、自分の親も言われた事があるか尋ねたところ、「良く気づいてくれた。私の育て方は悪かったとは思わない。」と返答があったそうです。この言葉に対し、「私も全然悪いとは思わない、(育ててくれて)ありがと。」と伝え、二人で涙ぐむ出来事があったそうです。

Aさんは、目標に向かって頑張っています。Aさんのように、皆さまにとっても何かしら役に立てる場所でありたい。そういう想いで家族会が活動し続けて14年となります。

 ご都合の良い時に、いつでもお越し下さい。

(文筆 子籠智恵子)

 

31回:2011113()13:0015:00  

ミューザ川崎シンフォニーホール

スタッフ3(精神科医(渡邉先生)・母親・管理栄養士)

参加者:当事者6人 親3人 (うち親子1組夫婦1組)

 

 「親子間における感性のズレを緩和するには??」

 

当事者は、話相手の言葉や口調に対し、過敏に反応する傾向が見られます。

 

例えば、

(母親の気持ち:娘が苦無く食べられる物は何だろう??ちょっと聞いてみよう。)

という思いやりから、

【母親の発言:野菜なら食べても大丈夫?○○は大丈夫??】

と、発言するとします。

 

しかし、

(娘の気持ち:私を否定している!無理やり食べさせて、私を太らせようとしている!)

【娘の発言:もういいよ!!うるさい!!】

 

というやりとりが見受けられる場合があります。

 

母親にとっては、娘が生活しやすいように何かしたい、と思いやりで質問をしているつもりが、娘からすると、自分が否定されている或いは過干渉と捉えられることがあります。

 

すなわち、感性のズレ、捉え方のズレが生じています。

 

母親が悪いわけでもなく、娘が悪いわけでもありません。

娘が切羽詰まっているから、思考がマイナスになり、家族に不信感を抱いてしまう。

 

どのように対応をしたら良いのでしょうか?当事者と親たちで考えた意見のうち、【娘の考えや今の気持ちを、聞き出すこと】について紹介したいと思います。

娘の言葉が出てきた方が良いので、明日はどうしようか?どんな具が良い?と柔らかい口調で聞いてみたらどうかということです。親の方から、野菜なら食べられる?芋はダメよね??等、親の方から言葉をかぶせるのではなく、娘の言葉を引き出すような方法で聞きます。

つまり、「これはどう?あれはこうよね?」よりも、「どうしたい?」 という言葉かけです。娘が発言をしてくれたら、適切な言葉に対してオウム返しをすると、娘は、自分を受け入れてくれたと感じてくれるのではないか。そして、安心感を得られるのではないか、というものでした。

 

私は、心のエネルギーの土台には、「安心感」が必要であると思っています。安心感の先に、自己肯定感や自信、自己実現、社会適応等があると思います。安心感を生みだすものは、人とのつながりだと思っています。

「人とのつながりを回復すること」このために、家族会がお役に立てればと思います。

何かよく分からないけど、何か話したい、他の人の話を聞きたい時など、いつでも気軽に家族会に起こし下さいね☆

(文筆 子籠智恵子)

 

30回:2011918()13:0015:00 

 ミューザ川崎シンフォニーホール

スタッフ4(精神科医(渡邉先生)・母親・管理栄養士)

参加者:当事者3人 親3人 (うち親子1組)

 

おやっ?みんなどうしたの!?

回復者の母親が、以前よりも明るくなった当事者の表情を見て驚いたのです。久しぶりに馴染みのある仲間が一同に集まっただけでなく、各々が回復期に入っていたのです!泣いたり、怒ったり、会では本当に色々な事を話してくれました。その彼女たちが、今回は自分に自信を持ち、溢れる笑顔で会に来てくれました。

それぞれ、当会に参加した時の状態、参加後の気持ちの変化、そして近況についてお話して下さいました。その内容の一部をご報告したいと思います。

 

ある彼女は、子どもの頃から「痩せていなければ」というように、「〜でなければいけない。」思考でした。しかし、理想と現実が異なってしまった今の自分が許せないこと、過食が止まらないことへの罪悪感と、不安で押しつぶされそうな状況下で、初めて会に参加しました。「誰かに自分の辛い事を聞いてほしい、自分は異常じゃない、大丈夫って認めてほしい。」会に対してこのような期待を抱きながら、継続的に参加してくれました。会の方々に、「大丈夫だよって言ってもらうとホッとでき、過食が全然止まらない時でも、会に参加すると症状は一時的だけど止まり、次の日から仕事に行くことができ、次の会まで頑張るエネルギーをもらえた。」と、力強く話されました。

現在も、不安だったり、モヤモヤしたりすると食べ過ぎることがあるという発言に対し、回復者のお母さんから、「誰でもあるよ、誰でもストレスがたまれば食べるもん、おばさんだって食べる事が楽しみなんだから。今までがそうだったから、食べる量が増えるとまた元に戻っちゃったって思うかもしれないけど、それを病気だと思うか、ストレス解消だと思うか、食べたいから食べているのか、その区別は今のあなたなら分かるはず。」と激励の言葉がありました。これは、スリップ(症状再出現)の恐れに対して、解釈の修正が可能となる一言ではないかと思いました。

また、もう一人の回復傾向にある方は、この会に来て良かったこととして、「自分の悩み等を話すとスーっと気持ちが楽になった。他のお母さんの話を聞いたことで、それまで自分しか視野になかったのが、違う見方、支える方々の気持ちを聞くと、間接的に支えられているような気がして、症状が良くなってきた。」と話されました。

 

当会は、悩みに対して具体的な対応策を模索する場という特徴があります。実の親子間で、今まで言えなかったことを話し合い、お互いの気持ちをすり合わせることが回復につながると考えています。だからこそ、当事者も家族も一緒に参加し、一緒に回復していく事が大事なのです。                      (文筆 子籠智恵子)

 

29回:2011821()13:0015:00  

ミューザ川崎シンフォニーホール

スタッフ4(精神科医(渡邉先生)・母親・管理栄養士)

参加者:当事者2人 親7人 (うち親子1組、パートナー1組)

 

 当事者における家族の重要性についてお話したいと思います。

当事者にとって、家族が一番頼れる存在である場合が多くあります。この為、家族の支援が当事者の回復に影響を与えることが知られている。しかし、支援方法について混乱している家族は多いと考えられます。

 

今回は、悪循環を断つためには、当事者の言動に家族が振り回されない事についてお伝えしたいと思います。

例えば、「拒食」は氷山の一角(詳細は第24回報告書に記載)です。下図のように、家族が氷山の一角である「症状」に囚われ、当事者の摂食量を増やそうとする行為は、当事者の不安を煽り、拒食行動の悪化につながります。家族が症状に囚われない事が重要です。

不安を助長

 

 

 拒食(症状)に焦点を当てるのではなく、なぜ拒食をしなければならないのか。この背景に隠された真の問題を理解していく必要があります。家族は、当事者が感性を抑圧するのではなく、自己表現ができるようなサポートが求められます。

 

 

さて、今回いらしたお母様から、娘さんは給料のほとんどを外出先で行う過食嘔吐に費やしており、万引きしそうな気がする・・と言われた、とお話がありました。このような時、どう対応しますか?お金を渡しますか?

回復者のお母様からは、お金を渡すのは、氷山の一角に振り回された行動である。万引きしそうな気がすると親に言った本当の気持ちを理解する事が大事である。この発言は、お母様に「こっち向いてほしい」という娘さんからのサインではないか、一緒に外食をしたり、一緒に過ごす時間を増やす事が対応策ではないかとアドバイスがありました。

摂食障害は、時期によって支援や声かけ方法が異なるという特徴を持っています。時期に応じた支援をする事は、大変難しい事ですが、家族会が時期に応じた支援方法を模索していく力になれればと思います。(文筆 子籠智恵子)

 

28回:2011717()13:0015:00  

ミューザ川崎シンフォニーホール

スタッフ4(精神科医(渡邉先生)・母親・管理栄養士)

参加者:当事者6人 親8人 (うち親子3組、母父子1組、夫妻1組)

 

 「食行動の異常は、悪循環を断つ事である」と、渡邉先生はお話されました。渡邉先生によると、下記の【悪循環の図】のように、当事者は、「寂しさや不安、痩せれば何とかなる」という強い想いを抱き、拒食や過食を引き起こします。この行動を見て、周囲の人々は混乱し、心配するあまり、拒食や過食行動を止めるよう訴えます。しかし、これらは、当事者の不安を増幅させる結果となり、ますます問題行動が悪化するという悪循環に陥っていくのです。

 

では、どのように悪循環を断つのか。これは、家族が、拒食や過食行動等、目に見える部分に執着しない事です。そして、医療・家族・友人等、当事者のサポーターが、「今の自分を大事にしようね」、「今のあなたが良いんだよ」、「まぁ、いいかって思って良いんだよ」など、当事者が自己受容できるようにメッセージを伝え続ける事です。口先だけで伝えても逆効果です。当事者を受け入れた上で声かけをする事が大切である、というお話でした。

【悪循環の図】       【悪循環を断ち切る声かけ】

 

 先生のお話を踏まえて、当事者のお母様が、体重が全てだと思っていたから、食べさせる事に必死だったが、この会で、本人が自分から食べたいと思わないとダメなんだと学びましたとお話されました。

また、約1年半ほど家族会に参加して下さっている当事者の方が、「この会に来るようになって、今のままで良いんだよって言ってもらえた。痩せなければならないという思考から、痩せる必要はないという思考になった。自分に対して、肯定的になってきた」とお話されました。家族会が、少しでも力になれれば本当に嬉しいです。

 

 当事者の方も、ご家族の方も、支援者の方も、困っている事、悩んでいる事があれば、お話しに来て下さいね。対応方法の模索を一緒にしていきませんか?

(文責 子籠智恵子)

 

27回:2011612()13:0015:00 

 ミューザ川崎シンフォニーホール

スタッフ3(精神科医(渡邉先生)・母親・管理栄養士)

参加者:当事者8人 親6人 (うち親子4組、母父子2組、夫妻1組)

 

 「寄り添う」って何だろう。このような事を考えさせられる会でした。

 

改めて、家族が当事者に寄り添うことの難しさを感じました。家族は、当事者のためを思って、当事者が喜ぶと思って行動していても、当事者はあまり嬉しく感じていない、そもそも求めているものが全く違うといった齟齬が起こりえます。

 

例えば、家族は子をそっと見守る方が良いと判断し、あえて踏み込まないようにしていても、子の本当の気持ちは、家族にもっともっと自分の気持ちを聞いて、理解してもらいたいと願っている事もあります。

 

家族が当事者の声に耳を傾ける事は大事です。しかし、耳を傾けるだけでなく、当事者の真意を理解した上で、行動することが、家族に求められていることだと思います。当事者は、1日の中でも気持ちの変動が大きい場合もあります。だから、当事者の状況を考慮せずに、本で書かれている支援方法をやるなど、通り一遍の支援では対応できないのです。

 

当事者がいま求めている事に支援やタイ方法が合っているかを判断するには、その時の当事者の反応や、症状を見ながら、合っているか合っていないか確認していく。それが分からなかったら、当事者に求めている事を聞いてみるのも良いと思います。

 

毎日の生活の中で、次の瞬間、当事者の気持ちや症状がどう変わるか分からない。家族も不安でいっぱいだけれど、当事者の変化に対して、理解を示す。それが、寄り添うことであり、回復のために家族ができることなんだと感じました。

当事者と一緒すごす時間を必ず持つとともに、支援する側も趣味やガス抜きの場を作る事も必須です。そのガス抜きの場の一つとして、当会はきっとその役に立てる事と思います。

(文筆 子籠智恵子)

 

25回:2011417()13:0015:00

ミューザ川崎シンフォニーホール

スタッフ3(精神科医(渡邉先生)・母親・管理栄養士)

参加者:当事者7人 親5人(うち夫婦1組、親子1組)

 

3月は地震の影響により中止になってしまいましたが、今回はたくさんの方々が集まって下さいました。多くの意見が交わされいつも以上に内容の濃い会となりましたので、簡単ですがご報告させていただきます。

 

冒頭に先生から昔行われていた摂食障害の治療法である「ミヌーチンの家族療法」についてお話がありました。下図参照。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


         ↑ 医者A側からしか見えないガラス

 

 

これは部屋が2つに仕切られており、右側の部屋では家族が食卓を囲み食事をしています。このを様子を左側の部屋から見ている医者Aが医者Bに電話をかけ、家族に指示したいことを伝えます。たとえば、食卓の様子を見ていて母が一歩的に話しており父が無言の時は、医者は父に「もっと話して下さい」と伝えます。これにより、母に偏っていた力動を父に分散させることで家族機能を改善するということを目的としています。しかし大きな問題点があります。それは、摂食障害の娘に強制的に食事をさせることです。

 

今回はこのお話を元にして話題に上がった、本人に無理矢理ご飯を食べさせてはいけない、だけど本人を希望をどこまで聞いたら良いのか難しいという話に着目していきたいと思います。

 

まずは、食べない・食べさせるというよりも本人に安心感を与えること、安心できる場所を与えてあげることではないかという話が上がりました。具体的には、摂食障害と気がつくと本人は混乱する傾向にあります。その時に、正確な病状を伝えまだ症状が軽いようであれば治りやすいことを伝え安心させてあげようと意見がありました。しかし、安心させることばかり優先していると、振り回されてしまうのでは??という話題になりました。例えば、食事のメニューについて本人の希望をどこまで優先しても良いのでしょうか?これに対して、本人が食の拘りが強い時は希望を優先してあげること、続けていると何かしら本人から反応があるので、その反応を見ながら優先度合を変えていきます。決めたものしか絶対食べない時期から、やがて一緒にスーパーに行ったり、料理を一緒に作ったりできるようになり、低カロリー食品のものであれば食べられるすなわち食べられる範囲が広がっていきます。少しずつ本人の反応や様子を見ながら行います。今まで100%優先していたものが半々になり、親が「この子の人生なんだから好きなようにさせてあげよう」と思った時に本人は普通の食事と変わらなくなっていく、このような段階があるというお話でした。

 

回復は、混乱期→治したい時期→治りたい時期→自己受容→自尊感情のようなステップを踏んで行くと家族会では考えています。本人に情報を与え、親は強く太っ腹になった時、回復の道が開ける。今回も元気をたくさんもらえた会でした。

文筆 子籠智恵子

 

 24回:2011220()13:0015:00

場所:中原市民会館

スタッフ3(精神科医(渡邉先生)・母親・管理栄養士)

参加者:当事者4人 親7人(うち夫婦1組、親子1組)

 

 渡邉直樹先生は、摂食障害は氷山の一角であるため、摂食障害が引き起こされている根本原因を治療者や家族が理解することが大事であるとお話されました。

 

【摂食障害は氷山の一角】

 

渡邉先生の仮説では、寂しさ・満たされなさは、気持ちのすれ違いから生じるのではないか?周囲から良い子と思われているからこそ、言いたいことが言えずに我慢してしまうのではないか?と話されました。

 

 では、どのようにすれば良いのでしょうか?それは、気持ちがすれ違わない関係・安心できる関係づくりをすることです。下記の項目について、ぜひみなさんもご家族の方に尋ねてみてください。繰り返し話すことで気持ちのすれ違いをなくしていきましょう。

@   安心できていますか?

A   困ったことは何ですか?

B   どうしたら良いですか?

 

当会では、当事者・家族・専門家が参加することでそれぞれの立場のすり合わせを目的としています。親子で参加されることをお勧めしています。

 

 

次に、フリートークでは、渡邉先生の水面下の話について意見交換が行われました。

あるお母さんは、医療機関は身体を治してくれるところ、自分が悪い自分さえ黙っていればお父さんお母さんも可愛がってくれるし、良い子だから何も言えない、摂食障害になる子は何か言いたくてこんな病気になっているんだとお子様に言われたとのことでした。

また回復者のお子様をもつお母さんは、体重を元に戻すのは病院に入って、カロリー計算されて食べれば良いかもしれないけど、根本の摂食障害の病気の根の本当の根っこのところをしっかり治していかないと、いくら体重が増えてもすぐ減ってしまったり、すぐにまた落ち込んでしまったり。それを繰り返しながら親も子供も一緒になって勉強していくことが大事。家の中でいろんなことがあったとしても、どれだけ親が子供を受け止めてあげられるか、子供はどう受け止めてもらいたいかっていう溝のところをちょっとずつ埋めて行ったりしていかないと、食べるようになっても、根本が治ってないから食べちゃいけないと今度は吐くようになるとお話されました。

毎日のようにお母さんとバトルを繰り返して言い合い、親子で一緒に変わっていくこと、でも性格を変える必要はなく、そのままの自分で良いんだって思うこと・気付くことが大事なのです。安心できる場は一緒に話し合えば得られます。難しい心理療法はいらなくて、きちんと話を聞いて対応することを繰り返えして長いプロセスで回復を見てあげることが大事であるという話合いとなりました。

(文責 子籠智恵子)

 

23:20101219()13:0015:00

場所:中原市民会館

参加者:当事者6名 母親10(うち2組が親子で参加)

スタッフ4(精神科医(渡邉先生)・母親・管理栄養士)

 

今回は、定例会後の家族会ということもあり、会場にはたくさんの方が来てくれました。定例会にも参加された摂食障害リカバリーの方が、発症から回復までの経緯をお話して下さいました。発症後7年間引きこもり、ドン底まで落ちてもう死ぬしかないと考えたけれど、ある時やっぱり治らなくてはと思い、親が通っている自助グループに通い始めたそうです。少しずつ体重が回復し始め、ずっと行きたかった大学に通い始めたそうです。しかし、心理領域に入ったものの過食の日々でした。過食した日は毎日カレンダーに「×」をつけていくようになり、だんだんと「×」がなくなっていって、1ヶ月に1回、そして1年間つかなくなっていったのが大学4年生の時でした。

毎日ついていた「×」が減っていったきっかけは、ひきこもり時は食べる・寝ること以外することがなく、食べては自己嫌悪に陥る繰り返しの生活が一変し、学校に通うようになり、食べること・寝ることが100%の生活から、勉強のこと、友達のこと、そしてオシャレというように、少しずつ考えることがたくさん出てきました。また、自助グループに母と参加することで、今までぶつけられなかったことを言えるようになったことが変わっていったきっかけだったとお話されました。自助グループで得たことは、今まで全て親が正しく、自分が間違っていると考えていたため自尊心が低かったが、自助グループに参加することで他の参加者から親が間違っていると指摘があり、自分は間違ってないんだと気づき、どんどん自分の意見を親に言えるようになっていったそうです。

自分を見つめ直す意味でも、今苦しんでいる人がいたら伝えたいことがあるから当会に参加してくれました。先が見えないとつらいかもしれないけれど、リカバリーはする!と力強くお話し下さいました。

この方が回復した要因は、主に下記の4項目が挙げられると思います。

@過食をした日は「×」をつけていった

A環境の変化

B自尊心の回復

C自己主張

 

@はいわゆる「自己監視法(セルフモニタリング)」と言われているものです。記録することで自分の行動を客観的に評価することができ、望ましい行動をセルフモニタリングするとその行動は増加し、望ましくない行動をセルフモニタリングするとその行動は減少するという行動療法の一つです。この方は、おそらく毎日「×」を書き続けながら、どうしたら「×」を減らせるのか自分を振り返り、自問自答し続けたのではないでしょうか。この結果、徐々減っていったのではないでしょうか。

Aの「環境の変化」は、食べる・寝るという生活から大学に通うことで行動の範囲が広がり、考えることが増えていっただけでなく、「できる事」が増えていったのではないかと思います。長期に渡る引きこもり生活から、通学のため外に出られるようになり、友達とも話ができるようになり、オシャレにも気が回るようになりました。できる事が増えると自信につながるのではないでしょうか。Bの自尊心の回復にもつながるところがあると思います。

 Bの「自尊心の回復」は、自助グループの参加者の意見は、この方の不必要な自己嫌悪をなくしていったと思います。本当は自分は悪くないのに、自分が全て悪いと感じてしまう思考を変えていったと思います。

 そして、Cの「自己主張」につながったと思います。自分に自信を持ち、自分は間違っていないと思えることで、母親に自分の意見を言えるようになったのではないでしょうか。

このように、自己を観察することによる気づきと新たな問いかけと、自助グループに参加することで自分は間違っていないという気づきから、自尊心を回復し自己主張ができるようになったという回復過程があるように思います。

回復過程はさまざまだと思いますが、この最終段階には自尊心の回復が関与していると改めて感じました。

(文責 子籠智恵子)

 

22回:20101010()13:0015:00

場所:ミューザ川崎シンフォニーホール

 

参加者:当事者2名 母親4名 父親1(うち1組が母娘の参加)

スタッフ3(精神科医(渡邉先生)・母親・管理栄養士)

 

今回は、3連休の中日でしたが合計10名の方々が参加して下さいました。

初めて参加されたお母様がいらっしゃいました。この会に来て下さった決め手を尋ねると、「HPのこの会の様子に書かれている、混乱期→治りたい→治したい→自己受容期(回復過程)の文を読んで、この会は信頼できると思ったからです。」とおっしゃいました。提唱者は長年参加されているお父様と渡邉先生であり、私はただ文字化しているだけですが読んで来て下さる方がいるんだと大興奮でした。しかし逆の方もいるかもしれないと思い、この役割は責任重大であると自分に言い聞かせました。

 

いつものようにリラクセーションに始まり、渡邉先生から「人としての価値」(図1)についてお話がありました。

(図1)       

人としての価値 ←←大切な人

    ↑   

世間的なこと

(職業・資格など)

 

@   人としての価値とは、誰もがかけがえのない存在であり存在していること自体に価値がある。

A   しかし、本来の価値があるのに世間的なことに影響され、職業や資格(学歴)などで人としての価値を判断してしまう。

B   世間的な価値に惑わされ、自分(の価値)が分からなくなったり、価値のない人間だと思ってしまう。

C   人としての価値を自分の大切な人に求め、支えられていることが分かると初めて自分の価値を見いだせる。自分は存在するだけで良いんだということを。

 

摂食障害も同じで、食べ吐きや万引き・自傷行為により、自分の価値が分からなくなる。家族やパートナーや友人などの大切な人からの支えを受けることから、混乱期→治りたい→治したい→自己受容期を経て自分の価値を認められる。このようなお話をして下さいました。

その後、初めて参加して下さったお母様の娘さんと、毎回参加して下さる当事者の方が、同い年であり、似たような経験をしていることが分かりました。すると、当事者の方から、お母様がどう対応したら良いかというアドバイスをして下さいました。一例を挙げると、食べることが怖かった時、好きな食べ物を買ったり、自分で作ったりと、自分で食べたいと思える環境を作るようにしたそうです。自分で食べたいと思えるようになったのは、学校にいつでも来てねという声かけや、親からのサポートがあったからとお話して下さいました。他のお母様からのアドバイスもありました。最後にお母様が「こんなに楽になれて参加して本当に良かった。」とおっしゃって下さいました。会が始まる前と後では表情が全く違い、穏やかになられていて心境の変化が伝わってきました。当事者、ご家族も一緒に参加できる当会だからこそ立場を超えたアドバイスが可能になると改めて感じた時間でした。(文責:子籠智恵子)

 

20回:2010829()13:0015:00

場所:ミューザ川崎シンフォニーホール

 

参加者:当事者4名 母親4名 父親1(うち1組が母娘の参加、1組が父母娘の参加)。スタッフ4(精神科医(渡邉先生)・母親・管理栄養士)

 

この会は「摂食障害に悩む患者さんと家族の方々、また治療に関わっている人たちそして摂食障害に関心をもつ人たちが一同に会し、対等の立場で情報交換を行い、様々な立場で遭遇する問題点に対処する」ことを目指しています。

今回も、ゆったりとした雰囲気が漂う中で会が始まりました。

まず、渡邉先生から「摂食障害の回復過程」についてお話がありました。これは、4月の家族会で当事者の父親から提案があり、先にも紹介した回復過程を渡邉先生がアレンジしたものです。

@   混乱期:本人も家族も何が何だか全く分からない。誰もが混乱している時期。

A   治りたい:食べ物を置かないで、○○を作ってなど家族(治療者)任せの時期。

B   治したい:本人が主体、自分自身でどうにかしようと行動を始める時期。

C   自己受容期:今の自分で良いんだと受け入れる時期。

といった4段階の回復過程についてお話がありました。詳しくは【こころの臨床アラカルト 9月号・摂食障害特集-渡邉直樹先生執筆】に書かれています。よろしければぜひご覧ください。

次に、約1年半通い続けてくださっているお母様と娘さんが、家族にしてもらって嬉しかったことは寄り添ってくれたこと、家族がしてはいけないことはこうしなさいとあれこれ言うことだとお話して下さいました。

それから、摂食障害について勉強熱心なお母様からの近況報告がありました。娘さんの症状が落ち着いてきているが、暴言があるとのことでした。会のお母様方(娘さんが回復されている)から、前回参加された時には全く笑顔がなかったけど今日は笑顔がある。お母様が変わられたということは、娘さんも症状が落ち着いてきているし内面的にも変わってきているはずである。この時期の暴言は寄り添ってほしい寄り添いたい証であるから、今がチャンスである、というアドバイスがありました。私は、この会に参加するようになってよく感じることは、回復過程の段階を見極めることと、段階によって家族の対応も変える必要があることの難しさを感じます。この会は、回復者のお母様方がいらしているので、その時期の見極め方や対応の仕方のアドバイスをして下さります。今からできる具体的なアドバイスもして下さるのが、この会の良いところだなと思います。

前回初めて参加して下さったお母様が、今回は旦那様と小学生の娘さんといらして下さいました。お母様がずっと娘さんの手を両手で握りしめている姿に、心うたれるものがありました。まるで「大丈夫だよ、お母さんがいるからね。」とお話しているかのように温かい想いが伝わってきました。

 フリートークの時間では、参加者の皆さまが丸く集まってさまざまなお話をされていました。その中で、小学生の娘さんが「早く食べられるようになりたい。友達といっぱい遊びたい。だから早く治りたい。」と力強くお話されている姿が印象的でした。

 今回も参加されたみなさまも私もパワーをもらった有意義な会でした。(文責:子籠智恵子)

 

17回:2010411()13:0015:00

  場所:ミューザ川崎シンフォニーホール

 

参加者:当事者2名 母親3名 父親1(うち1組が母娘の参加)

スタッフ4(精神科医(渡邉先生)・母親・管理栄養士)

 

この会は「摂食障害に悩む患者さんと家族の方々、また治療に関わっている人たちそして摂食障害に関心をもつ人たちが一同に会し、対等の立場で情報交換を行い、様々な立場で遭遇する問題点に対処する」ことを目指しています。

  まず、当会に長いことご参加下さっている当事者のお父様から次のようなお話がありました。「治っていく過程は、まず自分の中で治りたいと思うこと。次に医者にしがみついてでも治したいという気持ちが出てくる。次は、自分はそのままでいいんだ、存在していていいんだという段階。最後の段階は、自分が優しいんだとか患者さんの中に芽生え、自分を肯定できる気持ちが出てくることである。」という回復過程に関する提案がありました。回復には、自己受容・自己肯定感を得ることが大切とされていますが、この段階の前に治りたい・治したいという過程があるのではないかという新たな知見を教えていただきました。この過程で「こうでなければ。」と自己を抑圧してしまうと悪循環につながるというお話もありました。

次に、治療の話題があがりました。当事者は良い子であり、嫌われたくないという気持ちの強い方が多いこと、自分をさらけ出しにくく信頼関係が形成しにくいため治療にも影響を与えるということでした。「自分をさらけ出すためには、もっと楽しもうとか、このままで良いんだと思える経験がきっかけとなって少しずつ変わっていく。変わっていく自分が見えてくると、だんだん人生が楽しくなってくるし、今の自分をもっともっと受け入れられるようになってくる。これが摂食障害を通じた自分探しの旅である」というお話もありました。

私は今月からスタッフとして初めて参加しました。緊張と不安でいっぱいでしたが、渡邉先生を始めスタッフの方々や参加者の方々が温かく迎えてくれました。会は和やかな雰囲気で始まり、笑いもあり議論も盛り上がり、参加するだけで力をもらえる会だと思いました。もし、会に参加したいけど緊張してどうも行かれない・・・という方がいらっしゃっても、この会は話さずに聴いているだけでも大歓迎です。得るものがたくさんあります。前向きになろうという力ももらえます!ぜひ参加していただけたらと思っております。(文責:子籠智恵子)

 

16回:2010322日(月・祝日)13:0015:00

場所:ミューザ川崎シンフォニーホール

 

参加者:当事者4名 母親4名(うち2組が母娘の参加)

スタッフ3名(精神科医(渡邉先生)・母親・臨床心理士)

 

この会は参加者の皆さんが対等の立場での情報交換、それぞれが安心して生活できる場づくりを目指しています。今回もとても温かな雰囲気の中で進められました。

 

 今回の当事者・親・兄弟姉妹の会も、なごやかでリラックスできるあたたかい雰囲気の中で進められました。

まず、渡邉先生より感覚と不安、考え方や捉え方の関連性について、考え方や捉え方によって不安が生じてしまうこと、それにとらわれることによって悪循環が生じていることがあるのではないか、というお話がありました。

 次に参加者それぞれのフリートークです。今回は、この会への参加回数が多い方から順に、今思うこと、感じること、近況などについて自由にお話していただきました。(もちろんパスもありという条件の下で、です!)以下はその抜粋と筆者(スタッフ)が感じたことです。

まず、この会に参加してちょうど1年という娘さんとお母様にお話していただきました。娘さんもお母様も1年前には1年後こういう状況に落ち着いているとは思わなかったとのことです。(何が変わったのですか?)という渡邉先生からの質問に対してお母様が話された「甘やかすのではなくて全部受け入れる」ようになったとお話されていました。娘は外の世界で精一杯頑張ってきている、だからせめてうちの中では思いっきり甘やかせる。。。というよりは全部を受け止めてやろうと思うとのことです。娘さんの方は考え方が変わったとのお話があり、(考え方を変えるきっかけって?)と聞くとやっぱり周囲の人たちの支えがあってのことだと話されていました。周囲の人たちの暖かな支えが、摂食障害の回復にもよい循環をもたらすのだということを改めて認識しました。同じく、昨年の4-5月からいらしてくださっている当事者の女性は、摂食障害という現象は変わっていないけれども感覚や気持ちが変わってきていると話してくださいました。(そのように変わってきたきっかけって?)という質問に対しては、「何かがあったわけではないけど。。。でもいろんなことの積み重ねかな。そもそもこのような会に来ること自体すごい勇気のいることだったけれど、来て見て変わったし、摂食障害と仲良くしようと思う」と答えていらっしゃいました。この発言を聞いて、私は本当にこの会にいらしている方々はとても力があって、この女性がおっしゃられるように勇気のある方ばかりだということを感じました。回復していく過程でそのような力がついてくるのかもしれません。摂食障害は見方次第では敵、しかもとてつもなく厄介で大きなモンスターのような存在なのですが、この女性のように摂食障害と仲良くする、摂食障害を何か大切なことを教えてくれる宝物のように思うこともできるというとても素晴らしいことを教えていただきました。

それから、昨年の講演会がきっかけで参加してくださっているお母様が、娘さんの現状とご自身のお気持ちについてお話してくださいました。娘さんはひきこもっている状況で、社会参加が難しくなってしまっていること、お母様が娘さんに代わって治療を受けにいっているがなかなか思うようにいかないことなどお話してくださいました。娘さんが大変苦しい状況なのだろうということはお母様のお話からとても伝わってきましたが、私はお母様自身も余裕がなくて大変な思いを抱えていらっしゃることがとても気になりました。摂食障害は適切な治療を受けることが難しい状況がまだあることも問題だと感じました。次にお久しぶりに参加してくださったお母様から娘さんの近況とお母様のお気持ちについてお話していただきました。このお母様は娘さんと週に1回お泊り会をして二人で徹夜して思いっきり話をするんだそうです。研究会のスタッフのお母様(摂食障害から回復した娘さんをお持ちです。)と意気投合して、「子どもは30歳だろうと40歳だろうと思いっきり甘やかしてやることが必要で、その甘やかす、受け入れてあげる時期が今なのだと思う。摂食障害の子はたいてい小さい頃には手がかからないいい子だけれど、小さい子頃に甘えられなかった分今思いっきり甘えたいんだと思う。」とお話しされていました。そして、娘さんとは2回目の参加というお母様と娘さんが参加してくださいました。お母様が思いっきり受け入れるっていうのはどういうことなのか、甘やかしているのではないかとご主人に言われることがあるとのことで、そのことについて最初にお話されたお母様と意見の交換をされていました。実はこの2組の母娘さんは、娘さんのご年齢が偶然にも一緒だったので、お母様同士も、そして娘さん同士もいろいろな思いがあっただろうと思いますが、

このような偶然がお互いにとっていいスパイラルにつながるようなきっかけになればいいなと思いました。そして最後に、この会に初めて参加してくださった当事者の女性がお話してくださいました。ご主人の転勤で東京に来て3ヶ月、東京での生活は慣れず、信頼している治療者からのサポートも受けることができず、大変つらい状況であることがお話されました。ご主人は暖かく大きく見守ってくださる味方とのことですが、ご両親には迷惑や心配をかけてはいけないので話せないんだそうです。東京では信頼できる治療者ともまだ出会えておらず、毎日どうしたらいいのかわからない、助けてほしい、と小さな体を震わせて消え入るような声でおっしゃられていたのを聞いて胸が締め付けられるような思いでしたが、それは私だけではなかったことが周囲の様子からわかりました。この会のことはHPを見てたまたま知ったそうですが、ちいさなきっかけをつかんで勇気を持って参加してくださったことが本当にすばらしいなと思いました。

 最初にも書きましたが、この会ではもちろん批判なんてありませんし、みなさんがそのままの気持ちを話したくなるようなあたたかな雰囲気がとても心地いい会だと私は思います。もし一人で摂食障害に苦しんでいる方、ご家族の方がいらしたら、最初は少しの勇気が必要かとは思いますがぜひ参加していただけたらと思っております。今回も暖かな時間をありがとうございました。

 

 

15回:2010124日(日)13:0015:00

場所:新・中原市民館 第3会議室

 

今回はお部屋の椅子がすべて使われるほどの方たちが集まりました。まずそれぞれ自己紹介をしていただくことから始めました。毎回新しい参加者がみえています。当事者が4名、母親が6名(内親子がひと組)、父親が1名、夫が1名、心理士1名、精神科医(渡邉)1名でした。他の会との違い:この会は対等の立場での情報交換、それぞれが安心して生活できる場づくりを目指しています。

 

様々な思いが語られました。自分の気持ちを話すこと、ふりかえりができることなどが会の利点だと思います。以下は語られたテーマとわたしのコメントです。

○体重さえ増えれば:メンタルもOK?当初は親としてはそのように考えてしまいます。そして娘の食行動にきわめて過敏となり、「どうして食べないの」とか「せっかくわたしが作ったのに」とか「なんでこんな娘になってしまったのだろう」とか、娘さんの存在を否定するようなことまで、ついつい口にだしてしまいます。もちろん娘さんを思ってのことなのですが、なにもいえない娘さんにとってはぐさっと胸につきささるようなことばになってしまうのです。まずはこのようなとらえ方があるとすれば、親の立場として反省する必要はあるでしょう。だからといって注意しなければいけないのは、親がすべて悪いというとらえ方は誤りであるということです。摂食障害は当事者本人の性格やそれに基づく心理的なとらわれや周囲の人たちとの関わり、あるいはそれ以外の自然環境などとの関わりを含めた、人と人、あるいは人と動物や自然などとの架け橋のバランスがくずれた状態と考えることもできます。この架け橋を修復していく作業が治療といえるでしょう。まずは体重を増やす働きかけをメインの治療に据える立場もありますが、それだけですべてが改善するわけではありません。

○過食・嘔吐がなくなれば:これも食べ吐きにのみ焦点をあてたとらえ方です。しかし大事なことはこの背後にある、当事者や家族の心理状態です。「さみしい」「みなに嫌われたくない」「みはなされたくない」「ほめられたい」などです。むしろこれらの心理状態に着目し、これらを変えていく働きかけをしていくことが、結果として過食や嘔吐の軽減につながります。

○お母さんが怖い:母親の自分が気付かなかったことです。それまでの嫁として姑女からの家事や子育てへの注文にプレッシャーを感じ、そのストレスをついつい娘に向けてしまった。しかも娘は我慢強く、優等生で弱音を吐かない子なので、ついついそうしてしまったというのです。

○自分がなおさなければ:これもプレッシャーになってしまい、自分のペースを見失うことになります。

○治るということ:行きたいところに行ける。起きたい時に起きれる。食べ吐きは残っても。確かになにはともあれ、いろいろなことに関心を向け、行動できるようになることは、その一歩といえます。お子さんが「治りたい」という気持ちを抱くことは、それ自体が治るプロセスの第一歩といえます。

○入院治療は行動療法がメイン:とりあえず自己の生命を守るための入院も時に必要になります。その場合には行動療法がメインで、とりあえず低いカロリーでも3食きちんと摂取するように行動修正します。

○性格は影響するか?兄弟姉妹の違い:完璧主義、意志は強い?白黒思考など、兄弟姉妹によって性格が異なります。摂食障害になるのは多くの場合、完璧主義で徹底的な性格の人です。そしてもう一方の兄弟姉妹は反対の性格、つまり完璧さを求めない人です。完璧主義が悪いということではなく、ある意味では生きること、人との関わり、自分が考えることや感じることそして行動することに対する責任感がとても強い人といえるでしょう。でもあまりの完璧を求めて、ちょっとでも不完全な自分は許せないのです。少しずつ自分を許してあげることが治療のプロセスになります。

○犯人さがしをしない:家族全体のバランス:当事者も家族も最初は犯人捜しをしようとし、ひとりあるいは一つのことが原因だと考えがちです。しかしこのようなとらえ方は誤りであることが多く、多くの場合にはいろいろな要因がからんで生じている事態だと思います。当事者も親も「私が悪い」という考え方を捨てることが大切です。

○入院は必要か?:実際に当事者が放っておけばどんどんやせていく場合には、関わっている親が判断して入院させなければならない時もある。こどもの命を守るために、親としてもこどもが反対しても断固とした態度で入院させなければならないこともある。しかしこのような対応以外では、当事者の気持ちを受け止めずに親が勝手に判断して入院させることが、当事者の気持ちを傷つけ、その後の親子の関係を悪化させてしまうことになる。基本はまずは何よりも親としてこどもの気持ちを知ろうと前向きに関わることであろう。

○当事者として母親と参加して1年たった:当初は困惑、なにがなんだか。とらえかたが変わった。毎日ケンカしてます。なんでもぶつけてくれる。母親が基準で強要することがあった。お昼もいまはみなと食べている。楽しく生活したい。プラス面をみていこう。

○これは病気?:病気であると認めることが、当事者自身とモンスターのような摂食障害という病とを区別することが可能となります。このモンスターを当事者自身と見間違うことが多いからです。しかしある時期には病気としてとらえずに、誰でもが1時的におちいるような「くせ」としてとらえた方が、当事者の気持ちを整理しやすいし、またその方が回復が早い場合もあります。ですからこの答えは「イエス&ノー」といってもいいかもしれません。

○合併症:アルコールほかの依存症に。こころの病。回復って?気持ちを出しきれない子ども。見捨てられたくない。理屈でなく、謝りたい気持ちでいっぱい、感謝も。すなおな気持ちを伝える。:すなおな気持ちになり、自分の気持ちを伝え合うことが回復への最大の近道のように思います。

○食行動の乱れ:

○くすりのこと:副作用:くすりには副作用がつきものです。主治医とよく相談して調節してもらいましょう。

○カウンセリング:寄り添う:基本は当事者の悩みによりそうことですが、そのためにもひとりひとりが研修を重ねることが大切です。なお基本は相手にきちんと向き合うことであり、これは誰でも行うことができ、カウンセリング以前の基本的なひとと関わる際に必要なことです。

○肥満恐怖どうしたらいいの?:食べ吐きを何とかしようとすることをやめることです。そうではなく、当事者のその他の事柄、たとえば対人関係やお仕事や勉強、自然との関わりなどをテーマにして、その中で課題、たとえば「散歩する時にまわりの自然を観察する」などを設定し、それを次回までに実際に実行し、どの程度できたかを報告してもらうというようなことがひとつの解決法として考えられます。これはわたしが外来で行っている森田療法的なアプローチを修正したものです。

○脳がおかしくなった?トイレの汚れなど。暴力もある。:1時的な場合がほとんです。むしろこれを取り除こうとしたり、禁止したり、罰したりということ自体がかえって症状を悪化させてしまいます。少しずつ変わっていくということを受け入れてあげましょう。

○社会復帰に向けて:苦労しながら、前向きに:これも大事な視点ですが、その前に当事者の気持ちをきちんと受け止めることが大切で、これがないと「この人はわたしのことを分かってくれていない」ということになります。

○父親の関与は?:いい子でいよう。:父親の関与は大事です。父親が一緒に協力してくれることは家族関係のありかたにも大きな変化をもたらします。

○あせらしていいのか?:今後どうするの?社会性を少しでも?あれもこれも?:前にも述べたように、まずは当事者本人の気持ちを受けとめることが大前提、その上で社会性を考えましょう。

○本人の気持ちをどういい方向にもっていくか?:これもかえって無理をする要因になります。マイペースが大事。まずは傾聴・共感を。

○皆から好かれたい:考え方が変わる。周囲の目を気にする⇒気にしなくていい

一緒に悩みを共有して、支えあうこと:気にしないでといってもできない場合が多いです。むしろ気になるままに行動することが大切に思います。

 

 

10回:2009720日(月・祝)13:0015:00

場所:ミューザ川崎シンフォニーホール

 

今回は連休の最終日でしたが、親子、パートナーやご夫婦でご参加くださった方も含めて当事者が2名、パートナーの男性1名、父親1名、母親5名、大学院在学中の方が2名、臨床心理士1名、医師が1名、合計13名の方の参加となりました。

 

  いつものようにリラクセーションの後、話したいことがある方から順にお話いただきました。

まず、当会に長いことご参加くださっている当事者のお父様が、娘さんとの関係の中でも心がけていらっしゃることについてお話くださいました。また、このご両親は、当事者の娘さんがおっしゃれられることについて、何かにつけアドバイスするようなことをしていたとのことですが、最近では娘さんのおっしゃることを決め付けずそのまま聴くように心がけているとのお話でした。

次に今回初めてご参加くださったお母様から、娘さんの拒食から過食へかけての変化の経緯、さらに最近見られるようになった変化についてお話いただきました。お母様から見るとどうしてこうなってしまったのかしら、ととても心配な状況ではあるけれども、現在は娘さんが見せている変化については見守っていこうと思うとのお話でした。

当事者の女性からは、摂食障害になった経緯、遠方に住んでいる母親が摂食障害を知った時の反応、自分の話を驚かずに聴いてくれた現在のパートナーとの出会いとそれからの変化についてお話いただきました。今も不安定になることはあるのだけれど、摂食障害にならなければよかったなんて思わないし、むしろ病気になって得たことが多くあったとのお話はとても印象的でした。また、パートナーの方からの発言もあり、この女性にとって自分をわかってもらえる存在ができたことが本当に大きなことだったのだと思いました。

最後にこの会へ遠方から継続的にご参加くださっている当事者の娘さんとお母様から最近の様子についてお話いただきました。最初の頃の様子からは想像もつかないくらい力強くお話くださっている姿はとても印象的でした。また、この娘さんの今の気持ちについて、会に参加されていた別のお母様やお父様から、ご自分の娘さんのことやご自身の経験から、今は他の人にはできない貴重な経験ができていると捉えてみてもいいのではないかというお話がありました。その一連の話の中で、当事者の娘さんの顔が自分を責めている表情からぱっと明るくなっていく様子が見られたこともとても印象的でした。

 

 最後に会の感想を述べ合いました。この会では話したい人が話す、話さなくてもOKというスタンスで進められていきますが、最後の感想ではみなさんから一言ずつお話いただき、様々な立場から様々な思いを抱えて参加されていることがわかってよかったと思います。また、当事者、親、兄弟姉妹、専門家が一緒になって「気持ちを伝え合う」ことができるこの場の尊さを改めて感じざるを得ませんでした。改めてご参加くださった皆様に感謝の気持ちをお伝えしたいです。本当にありがとうございました。

 

 

 

家族会の名称変更についてのご報告とお知らせ

2007/12/18up

この会をたんなる「家族会」ではなく「親・兄弟姉妹と当事者の会」というように名前を変えることを提唱したいと思います。なぜならこの会に当事者の方も参加することがひとりひとりの親にとっても、自分たちの娘にどのように関わったらよいのかを知る、適切な情報を提供してくれると思うのです。

 

 

家族会への参加について

07/11/11up

本家族会は以下のような目的と特徴を持った集まりです。

@   この家族会は親だけの参加ではなく、子としての参加、兄弟姉妹としての参加、専門家の参加、そして家族に関心を持つ人の参加も可能であること。

A   互いに情報交換を行い、支えあう機会と場を作ること。

B   会に参加だけして、発言しないのもOKであること。

 

 また、今後の家族会については以下のような方針で進めていく予定です。

      今回から参加費を各人500円いただくことにさせていただくことになりました。

      今後なるべく月1回のペースを確保して、家族会を実施していく予定です。

会の終了後は、希望により渡邉(本会実行委員長)による個別相談も可能です。

説明: 説明: sonota%20(5) 

これまでの親・兄弟姉妹と当事者の会(家族会)

8回当事者・親・兄弟姉妹の会

日時:2009419日(日)13:0015:00

場所:ミューザ川崎シンフォニーホール

 

当事者の方が2名とスタッフも含めて母親が2名、心理士が2名、医師が1名の参加となりました。

新しく来られた当事者の方が、自分の中にいろいろな思いがあるということからお話をされ、いまは体重が回復して周囲からは「治った」という目でみられても、こころの中の不安や怒り、自己に対する嫌悪感そしてさびしさがあることそしてその背景にはいろいろなつらい体験、無理に体重を増やされたり、傷つくようなことばをなげかけられたことなどをお話しいただきました。そのことを踏まえて別の当事者の方と母親が自分たちの思い、すなわち親の立場と子どもの立場からお話いただきました。やはり過活動からやせが進行していた時は考え方もせまくなったり、自分を見失うことがあったが、ふとしたことから食べることを始めたら胃が痛くなったりしたけれども、少し体重も回復していろいろなことをきちんとうけとめることができるようになりました。まわりの人たち、クリニックの先生や学校の友達や先生からも「無理しなくていいんだよ」と支えてくれることばがうれしいです。母親とはいつもいいあうことが多いけれど、心配してくれていること、病気のことをきちんと理解して一緒に寄り添ってくれていると思うとさびしいと思わなくなります。この会でいろいろな人たちの話を聞くことができ、自分だけがつらいのではないと思えるし、何でも安心して語ることができる場ではないかと思います。

というような内容が話し合われました。後半は自由にいろいろな人と話す時間としています。

治るとは体重の回復だけでなく、さびしい気持が少しずつ家族や周りの人たちとの関わりを通して、皆から支えられている自分に気づき、変化していくことが含まれると思うのです。その意味でもこの会に参加することで、自分の気持ちを話すことができ、参加者からも支えられるという体験が大変重要に感じました。(文責:渡邉)

 

7回当事者・親・兄弟姉妹の会

日時:2009322日(日)13:0015:00

場所:ミューザ川崎シンフォニーホール

 

この日は事務局も含めて7家族11人の参加(新しい参加2家族+非当事者)となりました。お彼岸の連休とあって 参加人数も少なく 新しいご家族の話を良く聞くことができました。非当事者の参加については参加者に自己紹介してもらい、了承してもらいました。この会は事務局を除いて、毎回新しい参加者があり、また当事者とそのご家族以外の参加も認め、オープンなミーテイングといえます。とはいえまずいくつかの約束事を確認して会を始めました。

・話し合った内容を口外しないこと(ただし大まかな内容は渡邉が個人が同定されない範囲でHPにのせる)

・各参加者の発言を重視し、基本的には「聴く」ということに徹する

・発言しないという自由もあり、パスもOK

まずは渡邉からなぜこの会が「当事者・親・兄弟姉妹の会」と命名し、「家族会」ではないのかということについて説明しました。摂食障害は家族関係、中でも親と子、特に母と子の密着した縦の関係(メッシュのよう)に問題のあることが指摘され、親は親、子は子というように「世代間の境界」を作り出すことの重要性が強調され、これまで「当事者だけの会」や「親だけの会」が行われてきたのではないかと思います。しかし本会はむしろ「親と子の情報伝達のゆがみ」に問題があるのであり、親が子あるいは当事者の考え方や感じ方を知ること、あるいは逆に子あるいは当事者が親の考え方や感じ方を知ることでこの「情報伝達のゆがみ」を正していくことがおおきな改善の力になることと考えていること、だからこそ一緒に話し合うことが大切であると説明しました。結局は子育てのころの「愛着」(アタッチメント)形成のころの情報伝達のすれ違い、父親と母親のとらえ方の相違、祖父母とのとらえ方の違いなどあるいは社会での職場や地域でのとらえ方の違い(偏見)など、多くの要因がからんで発症に至っているのではないか、従ってわたしたちに大事なことはこれらの情報のすれちがいをひとつひとつ正していくことではないか、そのための「当事者・親・兄弟姉妹の会」であるという説明をしました。

次に当事者の方からの発言があり、症状をもちながらこうして生きていることが「恥ずかしいこと」と周りから思われているのではないか?そしてまた自分自身もそう思ってしまうという悩みが語られました。これも周囲からの偏見、すなわち症状というモンスターイコール本人と思いこんでしまうことがあるのではないか、さらに偏見を向けられた本人もそれを受け入れてしまうのではないかと説明しました。従って互いに症状というモンスターを背中からおろした真の自分を見つめあうことが大切。それが可能な人がひとりでも多く周りにできていくことが大切と思いました。

もうひとつ大事なことが話し合われましたが、それは医療機関と当事者および家族との関係です。入院してどのような治療が行われるのか?治るとはどういうことを指すのか?なぜ親―子分離が必要なのか?期間の問題などについて医療機関、とりわけ主治医は当事者および家族に説明することが求められます。つまり正しい情報を提供することで家族が安心して治療に協力する体制を作っていくことです。もしこれが行われなければ、相互の不信感につながってしまいます。医療の立場からこのことを十分に理解する必要があり、さらに親の立場としてまず説明を求めることが大切です。もちろん当事者の意思が尊重されなければなりません。

当事者もご家族も不安でいっぱいの現状があることがわかりました。さまざまな立場からの偏見を取り除いていくためにもこの会は重要な役割を演じていると思いました。

 

6回当事者・親・兄弟姉妹の会

日時:200927日(日)13:0015:00

会場:ミューザ川崎シンフォニーホール

 

事務局の私たちを含めると17名の参加となりました。15名の方および3組のご家族の参加でした。特に4名の当事者の方が参加されたことは大きな意味があったと思います。すなわちこれまではどちらかというと親の立場からの発言が多く、当事者本人の気持ちをなかなか推し量れなかったのですが、今回は親としての関わり方、こどもとしての気持ちや受け止め方などが分かりやすく、とても多くのことを学ばせていただきました。もうひとつは男性の参加が2名あったということです。これまで父親は摂食障害に対してはなにかこどもがわけのわからないこころの病気になったということで、まったく無関心を装ってきたかあるいは「こうなったのはお前のせいだ」と母親を叱責するようなパターンがみられていたのですが、そうではなく父親も大きく関係しており、父親の態度や考え方、そして感情の持ち方が変わることでこどもも変わっていくこと、そして奥様が当事者で夫の立場として支援することの大切さを自覚していただけたのではないでしょうか?症状については様々な状態像が報告されましたが、共通してみられたのは当事者ご本人の「いいたいけどいえない」という体験の積み重ねが摂食障害として発現しているということでした。それがご本人の本来の性格として認められる場合とどうにも気持ちを表現できない家族関係の存在する場合の二つが考えられました。そしてこのような家族状況の中で問題なのは互いにこころを閉ざしてしまうことで「こころのバリア」が形成され、ますます症状も悪化してしまう傾向が認められました。そこで確認できたのは何よりも大事なのは当事者も親も兄弟姉妹も「互いにこころのバリアを取り去り、気持ちを伝え合う」努力をしていくことではないかと思いました。しかし「気持ちを伝え合う」ことは一言でいえば済んでしまうが、実際にはそう簡単ではないこと。しかしわたしたちは危機的な状況に置かれてこそ、気持ちが伝わる契機が得られるのではないかということを実感として受け止めることができたように思います。(文責:渡邉直樹)

 

5回当事者・親・兄弟姉妹の会

日時:20081123日(日)13:0015:00

会場:ミューザ川崎シンフォニーホール

 

18名の参加、そのうち3名は父親、2名は当事者そして1名は医師そして1名はそれ以外の方でした。まずあるご家族から娘さんの食行動の変化について、過食をしたあとは外出をいやがり、そうかと思うと拒食になり親としてもどのように関わってあげたらよいのかわからないという発言がありました。それに対して当事者の方から発言があり、ああしよう、こうしようと思うとかえって支配的になってしまう、できればなにもしてほしくない。親からのことばで一番安心するのは「大丈夫よ」ということばである。その後話が進展し、親と子は求めるものが違う、ある時期は「だっこして」とか「話を聴いて」と親に求めてくる。そういう時には親としてはきちんと受けとめてあげたい。おそらく小さい頃から自分の気持ちを親に伝えることができなかったのではないか。そしてさびいしい気持ちもあったのではないか?中には性急にいまの自分をどうしてよいかわからず、親にも保証を求める。当事者としては気持ちを表現することも下手なので、これまで定期的に両親との話し合いを続けてきた。しかしそれでも互いに気持ちを伝え合うことは困難であるが、ようやく最近になって本人の気持ちを共感しながら傾聴することができた。

などなどを話し、あっというまに2時間がすぎました。そのあと1時間ほどは皆さん別れを惜しみ、部屋のあちこちでグループを作って話し合いが続きとてもよい雰囲気でした。

 

4回当事者・親・兄弟姉妹の会

日時:200889日(土)14:0016:30

会場:大日本住友製薬新横浜営業所(ICビル7階)会議室

 

参加者は母親が3名と父親が2名それと精神科医の渡邉でした。まずひとりの母親から自分の娘について相談がありました。その相談を行ったあとで会がスタートし、いつものように天井の一点をみつめて、気持ちをおちつかせてから参加者に自由に話をしてもらいました。そのうちの大事な点をご紹介します。まずは「心的現実」ということです。つまり実際の事実はともかく本人がどのように受け止めているかが大事であり、そのことをまずは理解してあげることです。時として客観的な事実のみに依拠してこれまで娘の言動を修正しようとしてきたことが実はいけなかったことと初めて気がついたのです。これからはこの「心的現実」にも注意して娘に接していきたい。

もうひとつは父親として娘のことを案じている。できれば母親にもこの場に参加してもらいたいということでした。

このような話合いから次回は家族会の内容を録音してテープにとって、みなで順番に聴くということをしてみることになりました。実際に両親が一緒に参加できない場合にはそのテープを聴いてもらい、順番に回していこうということになりました(カセットリレー)。

 

3回当事者・親・兄弟姉妹の会

日時:2008621日(土)14:0016:30

会場:大日本住友製薬新横浜営業所(ICビル7階)会議室

 

報告者のわたし(渡邊直樹)の他当事者は2名、親として母親が5名、父親が1名、臨床心理士の勉強中の方が3名そして1歳2か月の子も参加しました。すなわちお子さんの世話をしながら参加された方がいらっしゃいました。

今回は新しい方が3名こられたのでなるべくその方たちのために時間をとり、そのあとで意見交換をおこないました。

その中ででたテーマをいくつかご紹介いたします。

摂食障害の症状(過食や嘔吐など)がある時に、親はそばにいない方がいいのか?

これについては時期というものがあるようです。確かに親子分離をはかることで症状が改善することもあります。入院は親子分離の1例でしょう。その時にはこどもはこれまで気づかなかったこと、たとえば心配してくれている親の気持ちがわかったりします。また親もこどもから距離をおくことで自分の関わり方を反省することができます。互いに少し距離をおくことがプラスに働くことはあると思います。あるいはしかし時には一緒に過ごして親子の気持ちを確かめあうことが大切な時期もあるでしょう。いまこの子にはなにをしてあげることが大切なのかをその都度考えてあげて、行動することが大切なのでしょう。

親としてどのような介入をしたらよいのか?

時に断固とした介入が必要な時もあるでしょう。例えば本人に生命の危険がありそうな時、あるいは本人自身が自己判断できずに困っているような時でしょう。その場合には1時的に親が悪者になったとしても、あとできっとわかってくれるのではないかと思います。

治るとはどういう状態を指すのか?

多くの方が正直なところ、過食や嘔吐を引きずってしまう場合が多いです。でも大事なことはそのことだけに焦点を当てずに他のいろいろな面に目を向けることです。例えばいままで引きこっていたのが仕事をするようになったとか。いろいろな人と接するようになったとか。親と話をするようになったとか。食べ吐き以外の本人の変化を重視し、前向きなところはほめてあげることも大事です。当事者が自分の人生を引き受け、前向きになれているときが治ったということではないかと思います。

こどもにも摂食障害が起こってしまうのか?

生まれたばかりのお子さんはまったく白紙の状態といってもよいかと思います。3歳くらいまでに基本的な性格、つまり心配性とかのんびり屋とかが見えてきますが、こどもは両親からいろいろな影響を受けて育ちます。その時に大事なのは安心感が養われることだと思います。さらにこどもはいろいろな人から影響をうけて、いい面時には悪い面も吸収しながら大人になっていきます。大事なのはいい面をたくさん吸収する機会に恵まれることであり、それは友人であったり、学校の先生であったり、わたしたち治療者であったりします。食べ吐きがそのまま遺伝するとかいうことではありません。

 

 

2回当事者・親・兄弟姉妹の会

日時:2008412日(土)

会場:川崎市高津市民館

 

参加者は9名でした。その中で当事者は2名参加されました。まずリラクセーションを行い、今回の新しい点は当事者のAさんが自分の親ではないけれども参加された親の方と一人ずつロールプレイを行ったということです。とても調子が悪い時あるいは少し回復したときなど、自分のこどもたちの状態の変化に応じて「親子の対話」を行ってもらい、それについて参加者が感想をのべました。当事者のAさんにとってもいままで気づかなかった親の配慮にきづくなど、実際の自分自身の親に対する思いが変わる契機になったようです。また親の参加者のひとたちは自分のこどもがなにを考え、なにを苦悩しているのか?どのようなことばかけをしてあげたらよいのかということが体験的に把握できたようです。そしてあたらしく参加された親子の方たちにもとてもよい時間であったようです。

 

 

第1回当事者・親・兄弟姉妹の会

日時:200829日(土)16:0018:00

会場: 大日本住友製薬 横浜営業所

 

当事者の参加は3名、父親の参加は3名、母親の参加は4名それと精神科医の私でした。まずは自己統制訓練をしてそれぞれの参加者に自由に話をしてもらい、時々私がコメントさせていただきました。発言は自由でしたのでただ話を聴くだけの参加も自由でした。
どのようなことが話し合われたかというと、まずはご両親と当事者の参加がありましたが、どうしても母親と娘さんのバトルになってしまうという。それに対してやはり親としてはむしろ食行動そのものには触れず、それ以外の生活上のことがらを話題にしてみてはどうかという話になりました。
 娘さん自身は過食嘔吐をしてしまう自分を責めてしまうわけですが、自己嫌悪に陥り、自信喪失からうつ状態にもなったり、かなり追い込まれた状態だと思います。そこで大事なのはもちろん親の関わりですが、まずは「あなたがいるだけで、ここに存在するだけで大切なのよ」というメッセージを送ってほしいのです。そして次には親が娘さんと同じようにあせって、追い込まれていくのではなく、「少しずつ一緒に変わっていこう」というメッセージを送ってあげる。当事者としての娘もいまの自分を全否定するのではなく、とりあえずは今の自分をあるがままに受け入れてあげましょう。自分のすべてが嫌いに思ってしまいますが、ご両親やお友達、そしてまわりの人との関わりのなかでいままで気づかなかった面(やさしさやおもいやりなど)に気づいてほしいとおもいます。そして周囲のひとたちも食行動をなんとか変えていこうという視点ではなく、ひとりの人間としてひとと話をしておもしろかったとか、花をみてきれいだと思ったり、自分の中に「自分らしさ」」を見つけていければと思います。というようなアドバイスとなりました。このような内容は現在末松先生と共同編集している。「チーム医療としての摂食障害の診療ABC」(診断と治療社)に詳細が述べられています。そして後半には前当事者のAさんが娘役になって、実際に親子の会話がどのようであり、また互いにどのようなことを感じてしまうかをロールプレイして味わいました。この会の主旨は「みなで気持ちを伝え合い、支えあう」ということであり、そのことが少し実現したようにおもいました。(文責:実行委員長 渡邊直樹)

 

日時:20071123日(土)13:0015:00

会費:500

会場:ミューザ川崎シンフォニーホール会議室1

 

11月23日(金・祭日)に川崎で家族会を行い、13名のご家族が参加されました。その中で話合われたことは、家族が変わることが当事者の病態にも大きな変化をもたらすということでした。ご家族の中にはこれまで娘に面と向かって話してこなかったことを反省され、今度はそうしてみようという方もいらっしゃいました。このことは決して家族だけが悪いという意味ではなく、当事者との関係性の問題であり、よい・悪いという価値判断の問題ではないということだと思います。

 

日時:2007113日(土)13:0015:00

会費:無料

会場:八重洲倶楽部(東京駅徒歩2分、八重洲地下街)

 

11月3日の家族会には20名ほどの方が参加し、熱心な意見交換ができたのではないかと思います。それだけみなさんひとりひとりの切実な思いが伝わっていたようにます。多くの方のご参加、ありがとうございました。

 

 

 

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