※辛くなるような記述を極力避ける努力はいたしましたが、水の中が舞台で 水害等の表現が出てきます。 基本的には、環境問題を扱ったコメディです。 

          

  巫女とペンギン             


 

 私が名はラヴィス。 

 聖なるリュテ河の流れを統べる者であり、ヒトから水を司る精霊神、あるいは竜神として崇められている者でもある。

 

 リュテ河に注ぎ込む水が生まれる場所から海との曖昧な境目までが、私そのものであり、私の力が及ぶ範囲だ。 

 

 そんな私が、最近気になっている事がある。

 

 

 女が落ちてくるのだ。

 

 無論、こういうことは、初めてではない。  

 鍋や釜、馬車の車輪、ヒトや家畜の排泄物…… 

 ヒトというものは、見境もなく何でも河に投げ入れたがる。 彼らが流したドギツイ色のついた液体に触れた魚たちが死のうが、熱い湯やベトベトした液体で水草たちが苦しもうが、おかまいなしだ。

 

 物や液体だけではない。 

 ヒトがヒトを投げ入れることだってある。 ヒトが自分で自分を投げ入れることだってある。

 なにゆえそんなことをするのか、理解に苦しむ。

 だが、入ってきたものは、好き嫌いを言わずに受け入れる。 出所も理由も問わない。

 それが、私たち水の流儀である。

 

 しかし、今回のヒトの落ち方は、いつもと違っていた。 

 

 女たちは、どうやら私めがけて落ちてくるようなのだ。 

 もちろん、リュテ河の流域であれば、どこに落ちようが私の中に落ちるのだけれども、それでも、それらの女たちは間違いなく、あえて私ラヴィスに宛てて落ちてくるようなのである。

 

「今度は何を始めたのだ、ヒト?!」

 

 私は、水面の向こう側にあるヒトの世界に向かって叫んだ。

 だが、所詮、私は水である。 

 どんなに喚き散らしたところで、ヒトの耳には、『ザアザア』とか『ピチャピチャ』としか聞こえまい。 

 抗議の意味を込めて雨を降らせてみたものの、ヒトは無礼を働くのをやめるどころか、新たな女を投入してきた。

 

 とはいえ、今回落ちてきた白一色の裾の長い衣装をまとった女には見覚えがあった。

 私の上流に近い湖のほとりにあり、私を主神として祀っている大神殿に仕える巫女に違いない。  神官長の娘で、小さい頃から私に花を手向けてくれていた愛らしい子だ。

 血筋ゆえか、この巫女の精霊に対する感度はなかなかである。 また、柳のように優しい外見に似合わず、かなり肝も据わっている。

 

 この女とならば、私でも、話せるかもしれない。 

 彼女を通じてヒトの不可解な行動の理由を知ることも、できるかもしれない。

 

(気が利くではないか、ヒト!)

 

 私は喜びいさんで、落ちてくる巫女を抱きとめた。

 ヒトである巫女は、水の中にいるために既に弱り始めていた。 

 ヒトは水ではなく空気をまとって生きる者であるから、私がこの者を生かせば、世の理を管理する至高の存在からの罰を受けることになるかもしれない。 だが、今は迷っている暇はなかった。 

 私は、巫女を水の中でも生きられるようにした。 

 しばらく様子を見ていると、苦しげにゆがんでいた巫女の顔が和み、肩から力が抜けた。

 目を開いた巫女は、水の中であるのに息苦しくないことに、 しかも、まだ生きていることに、かなり戸惑っているようだった。

 

「あら? なぜ? どうして?」

「私が生かしたのだ」

 腕の中でオタついている巫女に、私は声をかけた。 

 だが、若葉を思わせる巫女の緑色の瞳は、私を捉えることなく見当違いな方向に彷徨うばかり。 「誰?」と問いかける彼女の声は、恐怖に縮み上がっていた。 

 

(私に仕えているくせに『誰』とはなんだ? 『誰』とは?!)

 しかも、戒めを破って助けてやったのに怖がるとは、失礼な上に恩知らずな女である。 

 

 私は腹を立てたものの、すぐに自分の勘違いに気が付いた。 

 この巫女には、私の声が聞こえても私が見えていない。 いや、見えてはいるが、水としか認識していないのだ。

 

 私は、巫女にもわかるような姿を彼女の前に現すことにした。 

 水神ラヴィスといえば竜の姿である。 しかし、不用意に彼女をすくみ上がらせてもいけないと思い、彼女の神殿に安置されている人の形をしたラヴィス像に似せた姿を選択した。

 

「これならば、わかるか?」と問いかける私に、巫女が大きく目を見開いた。 

 どうやら、私が誰であるか認識したようだ。

「こ、こ、こここここここここここここここ、これは、大変ご無礼いたしましたっ!」

 彼女は私を突き倒すようにして離れると、その場で私に対して平伏しようとした。

 感心な心がけだ。 

 だが、ここは水中である。 水の流れる力と浮く力に翻弄され、巫女は、その場で渦に巻かれたかのように一回転した。

 

「そのように堅苦しいことは、しなくてもよい」

 放っておくといつまでも回り続けそうな巫女を再び腕に抱き入れると、私は、彼女が私の元を訪れるまでの経緯をたずねた。

 

「私は、生贄にされたのです」

 どうにか落ち着きを取り戻した巫女は、驚くべきことを私に語った。

 

「生贄? 誰のだ?」

 今どき生き物の命を欲する妖が存在するとは信じがたいことだが、巫女の言うことが本当ならば、由々しきことである。 

 しかも、彼女がこの河の中に放り込まれたということから、その者は水妖であると考えて間違いないだろう。

 この私に悪行を悟らせないばかりか巫女までもが犠牲になったということは、余程の力の持ち主であろう。

 となれば、ここは私の出番である。 この流域を預かる水の長として、私は、その愚かな妖を懲らしめてやらねばならない。

 

「巫女よ。 私を、その水妖の元に案内いたせ。 二度と不届きなことができぬようにしてくれる!」

「いえっ! その…… 違うのです!」

 憤る私を見て、巫女が慌てた。 

「つまり、その…… 私たち人間が勝手に思い込んでいるだけと申しますか…… やはり、ご所望ではございませんでしたね?」

 巫女が、上目遣いに私を見た。

 意味ありげな視線に、私は、ひどく落ち着かない気分になった。

 

「まさか。 そなたは、生贄として私に供された。 ……とか言うのではあるまいな?」

「も、申し訳ございません!」

 私の不興を肌で感じ取ったのだろう。 巫女が泣きそうな顔で謝った。

「『竜神さまは、人の命など欲しがらぬ。 生贄など決してならぬ』と、祖父である神官長も、きつく申していたのです」

  

 謝りながら巫女が教えてくれたことによれば、 地上では、ここ何年も天候が著しく不順なのだそうだ。

「雲間から差し込む陽の光が珍しく思えるほど、我が国では何年も長雨が続いております。ですから、私たちは、必死であなたさまにお祈りいたしました。 『雨を止ませてくださいますように』と、 『天気を良くしてくださいますように』と。 ですが……」

 

 だが、祈れども祈れども、天候不順は深刻さを増していった。

 勤勉な農民がいくら熱心に畑の世話をしたところで、陽の恵みがなければ、ロクなものは実らない。 そればかりか、わずかな収穫さえ無慈悲な役人によって徴収されてしまう。 

 困窮した農民たちは、畑を捨て、わずかな望みをかけて都に出るものの、都もまた、方々から流れてきた行き場のない人々で溢れている。

 助けたくても数が多すぎるため、王家も役人も神殿も手をこまねくばかりだという。

 

 そんな時、『これは天罰なのだ』と主張する男が現れたのだそうだ。 

 

「その男は、『この長雨は、竜神さまが怒っているからだ』と言うのです。 竜神さまが、ヒトに罰を降すために雨を降らせていると言うのです」

 

 男は、竜神の怒りを解くためには、特別な供物が必要だと言ったのだそうだ。

 つまり、生贄を。 それほどの犠牲を出さねば、竜神――すなわち私は、ヒトを許さないだろうと、男は民衆を脅かしたのだそうだ。

 

 男の話は、単純ゆえに妙な説得力があったらしい。

 民衆――特に土と共に生きる真面目で純朴な民ほど、男の話を真に受けた。

 それだけ、彼らは切羽詰っていたのだろうと巫女は言った。 

 とにかく一刻も早く生贄を捧げて竜神に許してもらおうと、彼らは、率先して男の言いなりになったそうだ。

「私たちが気が付いた時には、すでに何人もの村娘が犠牲になっておりました。 私たち神殿の者は、生贄を止めさせようと躍起になりました」

 だが、神官や巫女がどれだけ言葉を尽くしたところで、肝心の雨が止まないのでは、なんの説得力もない。

 竜神ラヴィスの怒りが解けないことに焦れた人々の怒りの矛先は、当然のように大陸各地で私を祀る神殿へと向いたそうだ。 なかでも、この巫女が仕えていた大神殿に向けられた人々の疑いと怒りは尋常ではなかったという。

 

「竜神の怒りが解けないのは、おまえらのせいだ!」 

 人々は、神殿に向かって石を投げ、竜神に使える神官や巫女を激しく罵った。

「インチキ神官め! もっと真面目に祈れ! 反省しろ! 死んでラヴィスに詫びろ!」

 神殿の周りでは、連日、怒れる民衆の大合唱が繰り返された。

 

 神殿側は釈明を試みようとした。

 だが、「やるべきことをやっている」と言ってみたところで、上空に居座る雨雲が立ち退く気配を見せない以上、彼らの言葉は空虚に響くばかりだった。

 なにを言っても誰も信じてくれない。

 国王さえ、もはや神殿を助けられなかった。 

「せめて巫女を生贄に捧げて竜神に詫びてほしい」という民の声は日増しに高まっており、国中の領主たちが王の元に陳情に来ていたのだ。 

 

 王も困っているようだった。

 彼は、民衆を扇動する者のなかに、敵国の工作員や王家に反発する勢力の者が紛れているという報告も受けていたそうだ。 

 このままでは神殿への怒りが王家に飛び火しかねない。 そうなれば、国家転覆の危機となる。

「水神ラヴィスは、若い娘の死など決して望まぬ。 決して!」と、大神官は嘆きながらも、王と民衆の要望を受け入れざるをえなかった。 

 涙ながらに神官長が贄に選んだのは、彼の孫娘でもある若い巫女だった。

 

 

「そのようにして、私は竜神さまの御許に参ったのでございます」

 

 巫女は話を結ぶと、すがるような目で私に訴えた。 「ただでさえお怒りのところ、更に望まぬ生贄などを捧げられて、申し訳ないことこの上ありませんが、ですが、どうぞ、ささやかな暮らしを守りたいと願う人々の必死さに免じて、愚かな私どもを許してくださいませ。 雨を収めてくださいませ」

「願いはわかった」

 私は巫女に言った。 「わかったのだが、そもそも私はヒトになど怒っていないのだが?」

 

 祀ってもらっておいて、とんだ言い草だが、正直なところ、私には、怒りに任せて嫌がらせをするほど、ヒトに対する思い入れはない。 

 ヒトが私の流域で何をしようと、もっと言えば、ヒトがいようといまいと、私は特に気にならない。

 汚されようが温められようが、川岸を石で固められようが、私は私。 

 水は水でしかない。 上から下に、狭い場所から広い場所へと流れるだけだ。 

 水が汚れ岸辺が固められれば生き物は困るかもしれないが、私は困らない。

 だから、怒る理由がない。 

 

「え? でも、雨が……」

「雨は、降るべくして降っているのだろう。 私が雨雲を操っているわけではない」

 水面の彼方にある空を指差しながら困惑する巫女に、私は首を振る。

「確かに、私も多少の雨雲ならば簡単に操れる。 そなたの望むとおり、雨雲をどかしてやることもできよう。 だが、それはあくまでも一時的なもの。 長くはできない。 天の理に逆らうことになるからな。 だから、本当に雨を止ませたくば、天の理を整えることだ」

「天の……ことわり?」

「つまりだな。 そなたたちヒトは、熱すぎるのだよ」

 

 ヒトは火を使う。 

 もちろん、ひとつやふたつの篝火ならば、さしたる影響はない。 

 だが、手先の器用なヒトは、最近になって《機械》というものを作りだした。  そして、この《機械》とやらの力の源を作りだすために、更に多くの熱を必要とするようになった。  

 その結果、多くのヒトが住まうところに、多くの熱が生まれることになり、その場の大気も高い熱を帯びることになった。

 

「大気の温度が変れば、風の精霊の動きも変るのだ」

 熱というものは、熱い方から冷たい方に流れる。

 熱の動きが変れば、風の動きも変る。

 昔は悠々と空を駆けていた風の精霊たちが、最近ではヒトの作る熱に混乱し、あっちで転んだり、こっちで跳ねたり踊ったりしている。 

 

「水もまた然り」

 ヒトが作りだした熱は、排水となって河や海に流れ込む。

 水は河から海へも流れるが、空にも還る。 暖かくなれば、空に還る水の量も増える。 

 

「空に還る水が増えれば雲が増える。 細かいことを説明すると、そなたが混乱しそうだからこのあたりに留めておくが、簡単に言ってしまえば、それがこの地の長雨の原因のひとつだな。 しかも、この地のみのことではない。 この星のあらゆるところで、ヒトは、地面や空や水を温めている。 『ヒトが無闇に温めてしまうおかげで、住むところがなくなってしまいそうだ』と、先日、我が眷属の水妖のところに遊びにきたペンギンも嘆いておった」

 

「嘆いている……ということは、そのペンギンさまとやらは、ヒトに対して怒っておられるのですね?」

  きつく眉を寄せて私の話を必死に聞いていた巫女が、ようやく合点がいったというように手を叩いた。 「ということは、この長雨は、ペンギンさまのせいということでございますね?では、ペンギンさまの神殿を建てれば……」

 

「違うっ! なにを聞いておったのだ? ヒト!」

 

 私は、巫女を一喝した。 「そなたたちのせいだ! 私やペンギンを拝んだところで、何も変らぬ! 自分たちが仕出かしたことは、自分たちでなんとか致せと申しておるのだ!」

「ですが、どうしたらよろしいのでしょう?」

「知るか! 自分で考えろ!」

 涙目の巫女から、私は顔を背けた。 

 だが、彼女がすがるような目で私を見つめ続けている気配が、ひしひしと伝わってくる。 

 

「……。 熱すぎるのならば、冷ませばよい」

 巫女の視線に根負けした私は、投げ遣りな口調で教えてやった。 

「それは、冷たい水をかけるということですか?」

「違う。 それでは、水に熱が移るだけだ。 なんの解決にもなりはしない」

「そうでございますか」 

「とはいえ、このまま放っておいても、いずれ熱は冷めるぞ」

 うなだれる巫女に、私は意地悪を言った。 「このまま放っておけば、近いうちに熱を出すヒトが減るだろうからな」

 

 そう。

 

 このままの状態を放っておけば、災害や飢饉などの被害が甚大になる。 

 飢えは戦を呼ぶから、それで、またヒトは減るだろう。

 ヒトが減れば、ヒトが出す熱も減る。 

 熱が冷めれば、天候は以前の状態に戻ることだろう。

 以前も同じだった。

 ずうっと昔のことだ。

 何万年か前にも一度現れた二足歩行の生き物も、そうやって滅びていった。 

 

「そ、そんなのっ!」

「嫌か? そうだろうな。 ヒトは仲間の死に敏感だ。 とても愚かで、時には、とても残酷でもあるのに、その実は、とても優しい」

 悲惨なヒトの末路に唇を震わせている巫女に微笑みかけると、私は、苛めた詫びの代わりに知恵ともいえぬ知恵を彼女に授けた。

 

「熱を出すヒトの数を減らせぬのであれば、ヒトひとりが出す熱の量を減らせばよい。 ひとり分の熱をふたり、いや3人ぐらいで分かち合って生きるのだ」

 そうすれば、当座はしのげるはずだ。 

 その間に、ヒトは、火から生まれる熱に頼らずに《機械》とやらを動かす方法や、篝火よりも冷たい灯りを見つければよい。

  ヒトが必死になって考えれば、きっと、もっと良い工夫も出てくるであろう。

 ヒトは、なかなか頭が良い。 

 彼らが、本気になれば、どんなことだって成し遂げられるに違いない。

 

 私の提案に、巫女は希望を見出したようだ。

 

「わかりました! 私、みんなを説得いたします!」

 地上に戻るという巫女を、私は神殿ある湖まで送ってやった。

 

 ……のだが、たいして時間も経たぬうちに、地上に戻ったはずの巫女は、傷だらけになって水底に戻ってきた。

 

「神殿の周りに集まっていた民が、私の話を信じてくれないのです」

 巫女は泣いていた。 「『自分たちのせいで雨が降り続けているなんて信じられるか。 生贄になりたくないばかりに、私が嘘を言っているんだ』って」

「ああ。 聞こえた」

 私は、うなずいた。

 『さっさと死ね!』『湖に戻れ!』という民の声は、私の耳にも聞こえた。

 巫女に向かって投げられた石は、湖に落ちて、私にも当たった。

 

 どこまで愚かなのだ? ヒト? 

 どこまでも愚かなのか? ヒト?

 

「もうよい」

 私は、傷ついた巫女を腕の中にそっと抱き入れた。

「聞き分けのないヒトなど放っておおき。 ヒトなど滅びるに任せて、そなたは、この水の中で暮すがよい」

 だが、巫女は、私が思っていたよりもたくましかったようだ。

「いいえ」

 ヒトを見限るように勧める私に、巫女は強く首を振ると、涙を拭い笑顔をみせた。

「私、諦めません。 みんながわかってくれるまで、頑張ります!」

 

 その後も、巫女は、地上に戻ってはヒトを説得しようとして失敗し、 傷だらけの姿で湖に戻ってきては私に癒してもらうという日々を繰り返した。 

 彼女の頑張りに感心した私は、少しぐらいは巫女に協力してやってもよいと思うようになった。

 だが、悲しいことに、精霊である私が巫女と一緒に水面に姿を現わしても、彼女が説得したいと思っている人々には私が感知できないようだった。 

 人々は、私の姿に驚きひれ伏す神官たちに冷ややかな視線を投げながら、『そんな芝居に騙されるもんか』と、嘲笑うばかりである。

 

「これで河の神とはな。 我ながら情けない」

「そんなに、お嘆きにならないでください。 ラヴィスさま」

 落ち込む私を見かねて、水妖が彼の友を巫女に紹介してくれた。 

 ヒトが作り出す熱のせいで住処を追われつつあるという、あのペンギンである。

 

 ペンギンと巫女は、大いに意気投合したようだった。

「巫女さんの志が実現すれば、私どもペンギンも、きっと暮らしやすくなると思います。 どうか、このペンギンめに巫女さんのお手伝いをさせてやってくださいませ!」

「ペンギンさま。 それは心強いです!」

 

 そして、巫女とペンギンは、今日も今日とて、ものわかりの悪い人々を説得すべく地上へと向かう。

 

 罵られても、馬鹿にされても、石を投げられても、無視されても、彼らは決して諦めない。

 互いに互いを励ましあいながら、毎日毎日、水上を目指して泳いでいく。

 

 何度でも何度でも、諦めずに出かけていく。

 

 

 そのおかげか、最近は、だんだんと彼らの話に耳を傾け、彼らに協力する者どもも現れ始めたようだ。

 

 頑張れ、巫女!

 頑張れ、ペンギン!

 

 そして、頑張れ、ヒト!

 

 私は、水の中から、いつまでも、そなたたちを見守っていよう。

 



                                           (おわり)

                                               

                                                                                                 

  この作品は、ペンギンフェスタ2012(メインテーマ『地球・環境・自然......そして再生』)の競作部門 

 『ペンギンが世界を救った話』に出品しております。  

  会場はこちらデス ⇒  



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