特別編1回
にゃんにゃん祭

 にゃんにゃん共和国が持てる力のほぼ全てを次ぎ込んだ対アンノウン戦は、共和国の勝利に終わった。
 芥辺境藩国防衛戦で未確認機が確認される…少なくはない戦死者がいる…と、素直に喜ぶべきか判断しかねる勝利ではあったが、それでもその意味は大きい。
 今はこの奇跡的な勝利を祝い、喜びを共に分かち合おうと共和国中が沸いていた。少し前では考えられないほど全ての国々が活気に満ちていた。
 この祭事の中心地は遠く離れた鍋の国であり、フィーブル藩国は直接的には関係が無かったが、離れていようともその志は同じ、共に勝利を祝う事とした。

・・・・

 さて、そして当日である。
 抜けるような青空の下、祝砲が響き渡る。
 誰かの離してしまった風船が、高く高く空へと飛んで行く。
 国中が歓声に沸き、中央公園、港、その他もろもろ場所があればどこでも出店やらなにやらが並んでいた。
 街角の飲食店も今日はおまつり価格、日が暮れてからのんびり開く飲み屋も、今日はまっ昼間から満員御礼だ。
 きっと高台から見渡しても、このおまつり騒ぎが直ぐに解るに違いない。

・・・・

 今日は国の重役達も町に繰り出している。今は中央公園だ。
 何時もは職務が忙しく顔を出せないでかあさ、国中を駆け回っているスピーカーもいる。
 みんな一緒で嬉しそうな藩王。
 …だが…民衆が何かに気付いた。
 サイ…民衆Aと目が合う。
 そう言えば彼は今話題の人で、顔も割れています…

「! こっちだ!」

 サイが硬直している間に、でかあさに続いて素晴らしい身のこなしで茂みに逃走する一同。
 民衆が怒涛の如く押し寄せ…あ、飲まれた。

「〇×△□っ!!」

 サイ何事かを叫んでいるようだが、とても聞き取れる状況ではない。
 インタビューだか何だか、酒もかけられてる気がする。胴上げもされ…み、見えなくなった…
 フィーブル藩王は何とかしてと戯言屋の袖を引張った。…困った顔の戯言屋。

「流石に…アレは…」

 そこで遊々悟りきった表情で王の肩をぽんと叩き…

「王、残念ですが…彼は…もう助かりません…」

 少し食い下がる藩王。サイの方を見て…………諦めた。
 男泣きしながら、敬礼。そそくさと茂みから逃走する一同だった。

 脱落者1名。

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