第3回
騎士、流星号

 フィーブル藩国はにゃんにゃん共和国の辺境に位置するちっぽけな国である。資源も何にも無い。
 だが、そんなフィーブル藩国でも唯一他国に誇れるものがあった。それは流星号―各国が配備しているその新型アイドレスの自国仕様だ。
 これの性能に関しては折り紙付であり、素晴らしい能力を有していると言って良かった。
 …だが、現実は厳しい。強いだけで、自国の資源で運用できない兵器に存在価値など無い。
 資源の乏しいフィーブル藩国が、最終的にその設計案から生産できた流星号は僅か「1機」だった。そんなものは軍隊とすら呼べない。
 それはもう壮大な無駄遣いだったが、だが、だからこそ、この平和への祈りの込められた流星号は民にとって特別な物だった。

 有り触れたその機体が、とても頼もしく見えた。意思の無い顔に誇りと慈愛が満ち溢れている気がした。

 それがフィーブル藩国最強にして唯一の盾。蒼き水の騎士―流星号。

もくじにもどる