第2回
摂政、嘆く

 結局我が国の議会は出撃せずの決議を下した。幼い王の我が侭で、なけ無しのアイドレスを無駄にはできんという結論だ。
 だが、それより何より問題なのは、我が国にはアイドレスを操縦できる猫があの忌々しいめがね猫しか居ないのだ。流石に死なれたら目覚めが悪い…というか正直国の今後に関わる。アイドレスは平和の為に使って、ぶっ壊れて何ぼだが、王はそうはいかない。
 芥辺境藩国付近の強国は全力出撃の体制だ。直にあの対空放火を追い越すように、何条もの煌きが夜明けの空へと舞う事だろう。
 ええい…歯痒い。何も出来る状況に無い国が。その状況を招いてしまった摂政の自分が。

 「クソ…」

 もう嘆く気力も無いのか、自分の口から出た声は、何とも心許無い今にも消えてしまいそうなものだった。
 こんな時にあの王が居れば少しは気が紛れるものを「せめて最後まで見届けるんだ」とか言っておきながら、気疲れでぶっ倒れやがった。
 …で、その事実が更に私を追い詰める。

 (やれやれ、身分相応に世界を渡って、戦ってだけいりゃいいものを…)

 さて、とりあえず王の分もわたしが見届けよう。
 まだ、戦いは始まってすらいない。


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