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TQC(総合的品質管理)

TQCは、Total Quality Controlの略です。 日本語では総合的品質管理と呼ばれます。

TQCは、品質に対する製造部門の視点に、 マーケティング製品設計やデザイン 、等も含めた、総合的な視点での品質管理を言います。

SPCからTQCへ

品質を良くしようとすれば、まずは製品を実際に作る場所、つまり、工程を管理していく必要があります。 これが SPC です。

しかし、工程を管理していくだけでは、実現できる品質には限界があります。 例えば、工程管理をしていると、 「大量生産が始まってからのトラブルは、製品の設計段階から対策しておいてくれていれば、無駄な投資をしないで済むのに。。。」、とか、 「材料を変えると問題になっている品質が安定するはずだけど、 他の品質も微妙に変わりそうだから、実行しても良いものだろうか。。。」、 「マーケティング次第で、僕のやるべきことは変わるのに。。。」、といった場面に出会います。

TQCは、会社全体が製品を生み出すシステムと考えて、 全体最適によって、SPCの限界を越えていこうとしています。

TQCのQ

TQCで扱う品質の種類は、このサイトでいうところの 均一性、再現性、信頼性、生産性、調和性 のすべてが入ります。

さらに、TQCのQは、製品そのものの質だけではなく、製品に付随しているサービスの質も入っています。

Q(質)は、顧客の立場で考えます。 「顧客にとっては、製品そのものだけでなく、値段や、保証、欲しい時にすぐに手に入る、等も、 その製品の質」と考えます。

TQCの形

TQCは、品質の全体最適の方法論です。 会社全体の体制作りや、会社全体にわたっての 品質コスト の分析が重要です。

日本のTQC

TQCは、品質の全体最適を目指して、ファイゲンバウム氏が提唱したものですが、 日本で「TQC」と呼ばれているものは、別物です。 日本においては、 改善活動 (部分最適の手法)がTQCの手法として啓蒙されて来ていますし、業務の質(顧客にとってはどうでも良いような業務も含む)も対象にしています。 さらに「システマチックな全体最適」という発想がないです。

このサイトでは、従来の日本のTQCではなく、ファイゲンバウム氏の提唱を踏まえつつ、その後の製造業の変化にも合うように、 TQCの目的や方法をまとめてみました。 世の中のTQCについては、 TQCとTQM のページにまとめてみました。



参考文献

TOTAL QUALITY CONTROL THIRD EDITION, REVISED」 Armand V. Feigenbaum 著 McGraw-Hill Book Company 1991
ファイゲンバウム氏の本です。 筆者が見たのは、第3版ですが、初版は1961年に出ています。
この本の中では「TQC」という呼び方はなく、あくまで「TOTAL QUALITY CONTROL」なのですが、 他の本の文章から推察する限り、「ファイゲンバウム氏が提唱したTOTAL QUALITY CONTROLの略称はTQC」と思って良いと思います。
TQCの定義は、「顧客満足のために、マーケティング、技術、生産、サービスをもっとも経済的な水準にし、 品質の開発、維持、いろいろなグループによる改善をまとめる効果的なシステム」となっています。
品質システムとは、顧客にとっての品質と、品質のコストを保証する方法。
この本は、まず、買う人を考えています。 その次に、買う人のために会社がどうすべきかを考えています。
品質システムは、4つの部分に分かれます。 「新デザインの管理」、「受け入れ材料の管理」、「製品管理」、「工程の研究」です。 「工程の研究」というのは、品質に関わる問題の分析のことです。
品質のための統計学は、「頻度分布」、「 管理図 」、「サンプリング表」、「 検定 」、「 実験計画法 」、「 回帰分析 」、「 信頼性 」です。
TQCは、すべての社員の仕事を含みますが、顧客にとっての品質に関わる仕事に限定されます。


研究年報経済学 64(2) A.V.Feigenbaumの総合的品質管理論に関する一考察」 星野広和 著 東北大学経済学会 2002.10
ファイゲンバウム氏の「Total Quality Control」という本をコンパクトにまとめた論文です。 品質コストと、システム的なアプローチの解説が主です。
こうしたものが、今日的な品質が問題となる、社会的な事件の予防に有効としています。


品質管理 22(9) ファイゲンバウムのQC定義を再検討しよう(TQCへの提言) 」 石原勝吉 著 日本科学技術連盟 1971.09
消費者を満足させる品質は、一部門では実現できないということで、TQCを推奨しています。
統計学と品質管理を混同されている風潮については、統計学的な手法は、必要な人が必要に応じて使えば良い、という立場です。
ファイゲンバウムのTQCの実現を、日本で独自にやりたいとしています。


品質管理 42(11) アメリカの世界的競争力--総合的品質の変遷」 A.V. Feigenbaum. 著 日本科学技術連盟 1991.11
世界的なリーダーになっている会社では、厳密な方法論とデータベースを使って、システム工学の一分野として品質を取り上げることによって、 経営の変革を進めている、としています。
この論文は、ゼネラルシステムズ社による、品質の経済学の中間報告のような内容になっています。


品質管理 41(11) 総合的品質--国際的に不可避のことがら」 A.V. Feigenbaum. 著 日本科学技術連盟 1990.11
品質とは何か、ということを「10の基本的なベンチマーク」という名前でまとめています。


品質管理 38(12) これからのトータル品質」 A.V. Feigenbaum. 著 日本科学技術連盟 1987.12
・品質が良ければ、コスト優位があるので、品質とコストは両立する。
・7つの原則のひとつとして、トータル品質は、顧客や調達先にもつながっていなければならない、というのがあります。
・製品の開発段階から、品質を取り上げておくと、コストやスピードが向上する。


品質管理工学」 藤田春彦・広瀬幸雄 著 日新出版 1987
内容のほとんどはSPCです。
ファイゲンバウム氏のTQCが、2ページ弱ですが、紹介されています。



順路 次は TQC、TQM、シックスシグマ、その他

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