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概念分析とオントロジー

概念分析もオントロジーも、「概念」を扱います。また、「言葉」を扱います。 概念としての言葉や、言葉に込められた概念を対象にしています。
「概念 = 言葉」
ではないのですが、たまに、そういう風に思えて来ることもあります。

概念分析

概念分析とは、
自分が問題視していることに関する、言葉の意味(定義)や、言葉の関係を明確にしていくこと
、と言えるようです。 定性分析の一種とも言えます。 概念分析は、物事を考えたり、文章を書いたりする時に必要です。

概念分析とは、物事を把握し、言葉で表現する時の過程でしていることなので、誰でもしています。 ただし、速さや深さに個人差があります。 物事の理解の早い人、 わかりやすい説明の上手な人は、概念分析が上手なのかもしれません。

概念分析のグラフ

概念分析は、「あれがああなって、これがこうなって」と、頭の中だけで進めるより、 概念を単語で書いてみて、それらの関係を矢印や棒線でつなぐ方が、速く深くまとまるようです。

こうした図の作り方は、 オントロジー、 システム思考連関図パス解析(グラフィカルモデリング) にも見られます。

オントロジー

オントロジーは「概念の辞書」と呼ばれています。 いろいろな言葉の概念の、階層構造やネットワーク構造でできています。

例えば、「自動車」の下位の概念には、「トラック」、「セダン」、「バン」、等があり、階層構造が作れます。

オントロジーの必要性

オントロジーは、ネットの意味分析(セマンティックWeb)で注目されているようですが、 物の意味や概念をコンピュータで扱おうとしていて、いろいろな分野の基礎のひとつになるものです。

言葉の階層構造を分析することによって、 網羅的かつ体系的に物事をまとめる事は、 思考法 や、 価値工学 等の中心的な中身です。 しかし、やってみるとわかりますが、 言葉のニュアンス等が、解析者の力量や、さじ加減に依存してしまうため、 一見、客観的な評価をしているようで、実際は非常に主観的な評価になったりもします。

価値工学等の、設計時の品質を扱う学問では、 製品の機能を要素に分けて議論することがあります。 特に名前がないようですが、「機能オントロジー」に近いものが作られています。

数学・論理学・認知学

思考法 は、使う人によって結果が変わっても、おかしくありません。 出てきた結果の妥当性を、どのように考えるのかが難しいです。

再現性・客観性・完全性を求めるのなら、数学・論理学・認知学の視点も必要です。 論理学の記号が出てきたりして、敷居は高く、筆者もよくわかっている訳ではないですが、 オントロジーの構築には不可欠のようです。

推論の分類

推論は大きく分けて4種あります。 演繹・帰納・発想・類推です。



参考文献

概念分析

非線形な世界」 大野克嗣 著 東京大学出版会 2009
カオス の本なのですが、こういう現象の解析手段として、 概念分析を挙げています。 この本の概念分析は、物事の定義をはっきりさせることを指しているようです。


都市計画数理」 谷村秀彦 他 著 朝倉書店 1986
都市計画 の数理の本です。 第4章で、問題が入り組んでいる複雑な計画に取り組む時に、最初の段階として、概念分析を挙げています。 この本の概念分析は、主体の分類、等です。


オントロジー

オントロジーの普及と応用」 來村徳信 編著 オーム社 2012
オントロジーの歴史的なことから、ツール、様々な使われ方まで幅広く解説しています。 かなり広くオントロジーを捉えているので、 Weka や部品表(BOM)が登場したりもしています。
業務や製品で使われる用語は、同じ単語でも、会社によって違う内容を表していることがあるので、 ソフトの連携等をする時には、オントロジーを使うことが有効。PSLXというツールがある。


環境のオントロジー」 河野哲也・染谷昌義・齋藤暢人 編著 春秋社 2008
「一般的に、物理的な視点で『環境』を見ることには慣れているが、それでは不十分なことがある。」 、というスタンスで、存在論から「環境」を見ることを論じています。 環境心理学認知心理学 、工学等の視点があります。 機能オントロジーも解説されています。


オントロジー工学」 溝口理一郎 著 オーム社 2005
「存在とは何か」という哲学的なテーマを、工学側から扱っている感じです。


オントロジー構築入門」 溝口理一郎 編 オーム社 2006
オントロジーの作り方の本です。オントロジーは暗黙情報を明確にするそうです。


オントロジーがわかる本」 赤間世紀 著 工学社 2010
広くいろいろと書かれています。論理の話が詳しめです。

数学・論理学・認知学

知能システム工学入門」 松本啓之亮・黄瀬浩一・森直樹 共著 コロナ社 2002
知識の表現方法や推論方法が、解説されています。


知識と推論」 新田克己 著 サイエンス社 2002
さまざまな推論法が、コンパクトかつ体系的にまとまっています。
「真(しん)」と「偽(ぎ)」の2値の論理の議論の中では、 真偽が場合や状況によって変わる論理を扱うための、「様相論理」というのが、興味深いものでした。 人工知能 との関係がよく書かれています。 応用例として、法律の分野での推論が解説されています。


知識工学」 小川均 著 共立出版 2005
メタ知識の使い方について



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