いじめを防ぐ方法はないかと、何十冊ものいじめの本を読みましたが、いくら読んでも、【こうすればいじめの発生は防ぐことができる】という具体的な方法が書いてある本には出合えませんでした。
ほとんどが精神論。生徒との信頼関係を築く、児童生徒の動向をしっかり見る、児童生徒の話を丁寧に聞く等。こうしたことは、日常生活の中で先生達は常に気を配っていることで、それ以上の気配りは無理。
そこで、精神論でなく、具体的な誰でもできる方法はないものか、と考えて対策1、2を考え、10年間実施し、【これである程度いじめは防げる。最も危険な長期のいじめを発生させなくて済む】と、確信を持つことができました。
対策1は、最も手軽なアンケートで、対策2は学校に尼ある組織を使ってきめ細かな対応をすることで、いじめを防止しようとするものです。
生活アンケート
いじめは、いつでもどこにでも発生します。いじめは人間集団の根元的なものだからです。いじめ対策は、集団を預かる学校現場に、セキュリテイーとして必ず常設すべきと考えています。
最初に、いじめの予防対策の中で、最も効果の大きい【生活アンケート】を提案いたします。
いじめにたいして、子供を取り巻く教師や保護者が「頑張るから」、「子供達をよく注意して見ているから」「子供とよく話し合うから」といった精神論を予防対策としています。しかし、これがうまくいっていないことは、何度も繰り返される「いじめ自殺事件」が証明しています。
では、自殺者を出した学校の何十人といる先生達が全員うかつな人たちばかりで、子供をよく見ていなかった人たちばかりであった、などと考えることは無理があるのではないでしょうか。教師は、みんな一生懸命子どもを見ていたはずです。しかし、事件は起きてしまいました。
そして、今も、いじめでつらい思いをしている子ども達は五万といます。
この【生活アンケート】は、すでに私が10年間実施し、全く問題になることはありませんでした。保護者の方からは、ぜひ、ずっと続けて欲しい。」と切望されています。いじめに対して、学校が何か具体的な対策に取り組むことは、保護者にはとても安心感を与えるようです。
1 生活アンケート作成の基本的考え
「子供はいじめを訴えない。いじめは大人には見えない。」
だから、いじめを探し出すアンケートが必要なのです。
「子供には、危険性を感じないでやっている問題行動がある。」
だから、自分のしていることが危険かどうかが認識できる
アンケートが必要
(1) 定期的生活アンケート(年2〜3回)の特徴
アンケートそのものは、結構どこの学校でも実施されています。しかし、 無記名であったり、質問が「あなたはいじめられていますか?」など、漠然 としたのもが多く、効果を発揮出来ていないように思います。
@ なぜ記名か
いじめがどれだけあるか、統計を取るためのアンケートではありません。 いじめの芽は出ていないか。いじめを受けて危険な状態の子供がいないか どうか、探しだすためのものです。個人が特定できないのでは、手の打ち
ようがありません。記名は、絶対必要条件です。
A なぜ、発問がこんなに細かいのか
いじめの中には、子供達が「いじめ」と認識していないものもあります。
また、子供の世界で自然に発生した子供の裏文化(例、金の貸し借り、
差別意識から発生するいじめ行為等)に対して、子供達は 周りがやって
いるから、先輩がやっていたから、と疑念を持たずやってしまうことが
あります。
そのために、発問は具体的でなくてはなりません。子供は、アンケートに 書いてあることは、ほとんど「何となく悪いことだ」と感じているようです が、その行為の善悪の軽重はあまり認識ないようです。
立派ないじめ行為なのに「からかっているだけ」と思っているふしがあり ます。アンケートに解答することを、何度も重ねることで、「こういうこと って、やっちゃあいけないことだったんだ」と、子供達に問題行動の認識を 深める効果があります。
B 予防効果
アンケートに答えることで「ぼくはいじめられているかも知れない」と、 自覚する子もいるでしょう。
「おれ、あいつをいじめているかも」と、いじめっ子に自覚を促す役目も 果たします。
「誰かに僕のこと書かれるといけないから、あんなこと言うの止めとこう 。」と、日常生活での抑止力にもなります。
また、全校同じアンケートが実施されることは、アンケート項目が、子ど もの共通認識になります。「これは、してないことだと学校中のみんなが知 ってる」という共通認識は、子供に自制を促すと同時に大きな安心感を与え ます。
C 見えない子どもの世界が見えてくる
教師がアンケートを見れば、いくつもの項目に印のある子は注意しなけれ ばならないことが、すぐにわかります。
また、使役行為をされている子、友達から「いじめられているのでは」と 報告かれている等、危険な項目に名前が書かれている子を見つけることが出 来ます。
カードの交換、メールいじめや金銭のやりとり等、大人の知らない子ども の裏文化が見つかることもあります。
この実態をふまえて、教師は、子どもの問題行動の具体的な指導をするこ とができます。
これを集計して、全校職員で「いじめ不登校問題行動対策会議」を開けば、 クラスだけでなく、他クラスとの関連問題、学年を越えた繋がりのある問題 も把握でき、対応することができます。
D 友達のことを書く必要性は?
いじめられている子は、自尊心から、自分が「いじめられている」とは、 書かない場合があります。特に、小学校高学年、中学生には、そうした子が います。そこで、友達からの情報が重要な役割を果たします。
また、友達から「いじめを受けている子」の項目に名前があげられた子は、 いじめが相当深い段階に入っている子と考えられるので、早急に対応しなけ ればなりません。そうしたの子の発見にも役立ちます。
E 定期的に実施される安心感
これを定期的に行うことで、子供たちに「いじめを訴える機会がある」と いう安心感を与えることができます。
「今は我慢しているけれど、次回には書こう」と、子とも達は、解決を未 来に託すこともできます。
F 保護者アンケートの同時実施
保護者が自分の子どものいじめに気付く割合は15%と、非常に少ないの が現状です。
マスコミなどでいじめが大きく取り上げられたときは、「いじめ発見のポ イント」を書いた紙が学校から配布され、記憶にも残りますが、保護者はど んどん若返ります。そのため、常に「いじめ発見のポイント」を認識する機 会が、保護者には必要です。
保護者アンケートは、保護者に、自分の子どもがいじめに遭っていないか を点検する機会です。
また、学校教育に関して気が付いたことを書く欄で、学校への要望・意見 なども書き込んでもらいます。書き込まれた内容によって、保護者がどんな 不満や不安を持っているか、教師と問題の捉え方がどのように違うか等も、 知ることが出来ます。
その要望や意見に学校側が丁寧に解答していくことで、保護者と学校との 距離が縮まり、保護者との連携や心の交流も深まります。
では、実際のアンケートを提示します。
これは、生活アンケートを実施するために保護者の理解を求める書類になります。急にいじめの内容のあるアンケートを実施すれば、保護者は(学校で重大ないじめが発生したのでは)と不安を抱くのではないでしょうか。そうした危惧を取り除くために、こうした書類を実施前に保護者に知らせることが必要になります。
2 生活アンケート実施に向けての保護者用説明プリント
平成○年○月○日
○○小学校or中学校保護者各位
○○立○○小学校or中学校
校長 ○○ ○○
アンケ−ト実施について(お願い)
桜が終わり、つつじに藤にと花便りの続く季節になりました。保護者の皆様には、日ごろより学
校教育にご支援ご協力をいただき、ありがとうございます。
○年度は、いじめ自殺の問題が大きく取り上げられました。見えないいじめ、見えにくいいじめに 何か打つ手は無いものかと、 学校も真剣に取り組んでまいりました。そこで、今回、生活アンケート を実施することになりました。下記のような要領で実施いたします。子どもは、とても無邪気なので すが、未熟なため、知らないあいだに問題行動に踏み込み、それをエスカレートさせてしまう、とい う危険性を絶えず持ちあわせています。そこで、一人の子どもについて、本人と友達と保護者とそし て教師の四重の目で、定期的に子供の安全を確認しようとするものです。
なお、お子様の口から、いじめっ子の名前が出ましても、即、それが「とても悪い子」と思われな いようにお願いいたします。子どもは、成長途中です。いろいろな失敗や、意地悪をしたりされたり しながらお互に成長するものです。子ども達は日々変化します。子どもは、固定的な見方をするので はなく、変化する一時期の姿と考えて温かく話を聞いてやって下さい。
また、子どもや学校に関してご意見やお気づきの点などある方は、ご意見や情報を遠慮なくお寄せ ください。
記
1 実施方法
実施回数 年3回予定(5月、9月、1月)
1,2年生 保護者と一緒に家庭で記入
3,4,5,6年生 学校で実施
3,4,5,6年生の保護者 学校に提出
2 提出期限 月 日( )
3 提出方法 アンケートを封筒に入れて担任に提出(封筒には何も書かない)
4 その他 ・よりきめ細やかな指導と早期対応のため、このアンケ−トは記名でお願いします。
・情報をもとに、必要性のある場合は指導をいたしますが、情報をいただいた方にご迷
惑がかからないよう細心の注意を払いますので、ご安心ください。
・他人の名前を書く等があります。常識の範囲内でお答えいただければ結構です。
・学校へのご意見等書きにくい場合は、PTAの委員さんを通じてご意見をお出しいた だいてもかまいません。
生活アンケ−ト1,2,3年用 H○・○・○
年 組 名前
このアンケ−トは、あなたとあなたの友達をまもる、とても大切なアンケ−トです。平成○年の先 回おこなった○月のアンケート以後に、あなたに起ったことを、答えてください。
つぎのことがあったら、「はい」に○、そして、あったことにも○、やった子の名前も書いてくだ さい。なければ「いいえ」に○をつけてください。
1 次のことを されたことが ありましたか。
はい 自分の物をこわされた。 落書きされた。 かくされた。 ぬすまれた
だれに ( )
いいえ
2 次のことを されたことが ありましたか。
はい いやな手紙、 むし、 わる口、 あだ名、いやなうわさを言ふらされた。
いたずら電話 メールやインターネットでの悪口や変なうわさ
だれに ( )
いいえ
3 次のことを されたことが ありましたか。
はい たたかれた、 けられた、 つねられた
だれに ( )
いいえ
4 めいれいされて 次のことを したことが ありましたか。
はい ぬすんだ たたいた その他( )
だれに ( )
いいえ
5 次のことを されたことが ありましたか。
はい お金をかして、返してもらっていない 、おごった おごってもらった
だれに ( )
いいえ
6 次のことを されたことが ありましたか。
はい 高いおもちゃ(ゲ−ムソフトなど)をかして「返して」と言っても 、返してくれない
だれに ( )
いいえ
7 あなたの物が、なくなったり、ぬすまれたりしたことがありますか
はい ゲ−ムカセット、お金、おもちゃ その他( )
だれに ( )
いいえ
8 あなたは今、自分がいじめられていると、思いますか。
はい
だれに ( )
いいえ
9 あなたはクラスで、ひとりぼっちで、さみしいと思うことがありますか
はい いいえ
10 あなたには、その子がこわいので、言ういうことを聞いてしまう子はいますか
はい
だれが ( )
いいえ
11 先生に話したいことが あったら 書いてください。
ここからは、友達のことを、書いてください。
1 「ウザイ」「キモイ」「消えろ」といわれたり、「ばいきんあそび、のろいあそび」をされたり、 並ぶとき、友達が離れたり, 机をはなされたりしている子はいませんか。いたら、その子の名前を 書いてください。
2 いつもいじめられていると思う子がいたら、その子の名前を書いて、どんなことをされているか、 書いてください。
3 お金を、たくさん使っている人がいたら、その子の名前と知っていることを、書いてください。
4 いつも、いやなことをさせられている子がいたら、その子の名前と、どんなことをされているか、 書いてください。
その他、ご意見がありましたら、裏も使ってください。(1,2年用)
○月○日(○)までに担任の先生に出してください。
生活アンケ−ト 4,5,6年 H○・○・○
年 組 番氏名
このアンケ−トは、あなたとあなたの友だちを守るとても大切なアンケ−トです。平成○年の先回 ○月のアンケート以後で、あなたに起こったことを答えてください。
次のことがあったら、「はい」に○、そして、あったことにも○、やった子の名前も書いてくださ い。なければ「いいえ」に○をつけてください。
1 次のことをされたことがありましたか。
はい 自分の物をこわされた(自転車、いす、つくえ、本、ノ−ト、くつ、服等)
らく書きされた、自分の物をかくされた、 自分の物をとられた
だれに ( )
いいえ
2 次のことを されたことが ありましたか。
はい いやな手紙、 むし、 わる口、 あだ名、いやなうわさを言ふらされた。
いたずら電話 メールやインターネットでの悪口や変なうわさ
だれに ( )
いいえ
3 次のことをされたことがありましたか。
はい たたかれた けられた つねられた
だれに ( )
いいえ
4 遊びだけれど、いつもされていることがありましたか。
はい いつもわざをかけられていたい、 いやな役ばかりになっている。
だれに ( )
いいえ
5 命令されて悪いことだけれどやってしまったことがありましたか。
はい たたく 万引き みんなで友達をむしする、
だれに ( )
いいえ
6 次のことをされたことがありますか。
はい 金を貸して、返してもらっていない、 おごった おごってもらった
だれに ( )
いいえ
7 あなたのものが、なくなったり、ぬすまれたりしたことがありますか
はい ゲ−ムソフト おかね おもちゃ その他( )
だれに ( )
いいえ
8 たかいおもちゃを貸して、さいそくしても返してもらっていない物がありますか。
はい ゲ−ムソフト CD その他( )
だれに ( )
いいえ
9 カバンを持たされたり、いやいやいろいろなことを命令されることがありますか。
はい
だれに ( )
いいえ
10 あなたは今、自分がいじめられていると思いますか。
はい だれに ( )
いいえ
11 あなたはクラスや部活で、一人ぼっちでさみしいと感じることがありますか。
はい いいえ
12 あなたには、その子がこわくて、言うことはなんでも聞いてしまう子がいますか。
はい だれが ( )
いいえ
13 先生に何か話したいことがあったら、書きなさい。
ここからは友だちのことを聞きます。同じ学年以外の子こことでもいいです。
よく思い出して書いてください。
1 「ウザイ」「キモイ」「消えろ」といわれたり、「バイキン遊び、呪い遊び」をされたり、並ぶと き、友達が離れたり、机をはなされたりしている子はいませんか。いたら、その子の名前を書い てください。
2 いじめられているように見える子を知っていたら、その子の名前と、されていることを書いてくだ さい。
3 お金の使い方が多すぎる子、おごる回数が多い子、たくさんのお金でおごらされている、と思う子 を知っていたら、その子の名前と金額や回数を書いてください。
4 いつもボ−ルを取りにいかされるなど、いやなことをさせられている子を知っていたら、その子の 名前と、 どんなことをされているか書いてください。
5 だれかをとてもこわがっている友だちを知っていたら、その子の名前と、だれをなぜこわがってい るかを書いてください。
6 タバコをすっている、金をくれと言う、万引きをした、ナイフを持っているなど、よくないことを して いる子を知っていたら、その子の名前と何をしているか書いてください。
3,4,5,6年保護者用生活アンケ−ト H○・○.○
年 組 児童名
今年の○月から今日までに、お子様に起こったことやお気づきのことをくわしくお答えください。
1 お子様の持ち物(自転車、学習用具等)をこわされたり、落書き、隠す、盗まれるなど
されたことがありますか。
ある ない
2 お子様にいたずら電話、いたずら手紙などの嫌がらせはありませんか。
ある ない
3 服の汚れ方で、気になることはありませんか。
ある ない
4 体にあざをつくるなど、身体の異常に気づかれたことはありませんか。
ある ない
5 家のお金が抜き取られたことなどありませんか。
ある ない
6 遊びに行くのに、多額のお金を持って行くことはありませんか。
ある ない
7 おこづかいを与えているのに、さらに余分に欲しがることはありませんか。
ある ない
8 持ち物(ゲ−ムソフトなど高価なもの)は増えたり、減ったりしていませんか。
ある ない
9 学校に行くのを たびたびいやがったことはありませんか。
ある ない
10 次のような気になる身体症状はありませんか。
チック症(まばたきが多い、貧乏揺すり等体の一部を同じように動かす)腹痛、吐き気、頭痛等
ある ない
11心配な行動はありませんか。(遊びの内容・遊び仲間、ナイフなどの持ち物、内容が心配な
VT Rをよく見る等)
ある ない
12 だれかを恐がっているようなようすはありませんか。
ある ない
13 最近、食欲が落ちた、暗い表情をしている等、変わった様子はありませんか。
ある ない
14 不眠や電気をつけておかないと眠れないなど、気になる行動はありませんか。
ある ない
15 妙に落ち込んでいたり、急にはしゃいだりすることはありませんか。
ある ない
16 当り散らしたり、口をきかない等で、困っていることはありませんか。
ある ない
17 あなたはお子さんがいじめられていると思われますか。はいと答えられた方は,
理由もお書きください。
はい いいえ
↓
理由( )
18 あなたのお子様の友達や地域の子供のことで、気になること・うわさを見聞きしたことがありま したらお書きください。
19 自分のお子さん以外の子どもの気になる問題、学校へのご意見などありましたら何でもお書き ください。
紙面は裏を使われても結構です。
※ ありがとうございました。アンケ−トは封筒に入れ、必ず封をして、
○月○日(○)までに担任へ出してください。
(2) アンケートの結果の取り扱いの注意
アンケートはあくまでも予防対策。悪い子探し、ではないことを忘れては ないでください。
実施を重ねていくと、初めに金銭問題がぐっと少なくなります。ついで、
使役行為もなくなっていきます。最後まで残るのが、たたいたり 蹴ったり
という身体への攻撃と、悪口などの精神的な攻撃です。
子供のトラブルは社会性を養うために大切なものです。痛い思いをしたり、 悲しい思いをしたり、つらい思いをしたり、寂しい思いをしたり、ぐっと
我 慢をしなければならない時もあったり、そんな体験も大切です。
内容にもよりますが、こうした子供のトラブルにあまり神経質に対応す
るする ことは、かえって子供の成長を阻害することにもなりかねません。
こうした問題に対しては、あまり神経質に対応することは控えるべきです。
@ 必ず子供と相談
「いじめられている」とアンケートに書いた子供と、対応策を必ず話し
合いましょう。「別に何もしてくれなくてもいい。」と言う子もいます。
「名前を言わないで、嫌がっていることだけ伝えて」と言う子もいるし
「名前を言ってもいいから、ちゃんと伝えて。」という子もいます。状況を
確認しながら、できるだけ子供の意向に添うことが大切です。
危険を感じられる子には、本人は「何もしなくていい」と言ったとしても 「先生は心配なんだけど。何かあったらすぐに相談してね。」と伝えておくこ とも 大切です。そして、常に注意深く観察し、他の子からの情報も収集する ことを忘れずに。
A 犯人探しのアンケートではない
アンケートに、いじめっ子やよくない行為をしている子が浮かび上がって きますが、即、悪い子としての扱いは、絶対にしないでください。あくまで も予防策であることを忘れずに。自分のしていたことが、「とても悪いこと だったんだ。」と子供が自覚すればよいのです。「○人の子が、君のこうい う行為を、とても嫌がっていたよ。君はどう思う?」と、やんわり他の子の 気持ちを伝えてやればよいと思います。
こうしたことだけで、結構、問題行動への抑止力になることを私は実感し ています。
また、内容にもよりますが、次回のアンケートまで待って、子供の変化を 確かめてもよい場合もあります。
どう指導したら良いかは、子供集団を毎日扱ってる身近な先生方が、最も よいアイデイアを考え出せると思います。
B 保護者への対応は迅速に
保護者のアンケートに、「自分の子供は、いじめられていると思う。」と いう回答があったら、できるだけ早く対応します。 保護者は、非常な不安を 持っていると考えられるからです。また、学校への強い不信感を持っている 場合もあります。本人に状態を確かめ、また、周りの子供からそれとなく事 情を聞くなど情報を集めを適切にし、対応することが大切です。その結果も 保護者にできるだけ早く必ず報告することが重要です。
C 資料の作成
最初は、アンケートにはたくさんの訴えが、子供からも保護者からも寄せ られます。それを、担任の判断で適当に削除してはなりません。必ず、全て を資料に載せることが大切です。時に、削除した中に、他のクラスや学年を またいだ重大な問題が浮上することがあります。
また、訴えが多いということは、今まで、それだけ多くの問題が学校には 認識されず隠れていた証拠でもあります。
アンケートは回を重ねる毎に、訴えはどんどん減っていきます。資料作り も、大変楽になります。先生方の対応の成果とアンケートの抑止力の成果で す。子供の世界が、何となく以前よりは明るく感じられるようになります。
D 全校での対策会議の開催→いじめ不登校問題行動対策会議
必ず、資料に基づいて学校職員全員で対策会議を開き、内容を検討してく ださい。「そういえばあの子のこんな場面を見かけ ました。」といろいろな 角度から情報が寄せられます。担任では把握できなかった部活や委員会活動 での姿等も必要に応じて報告され、子供のいろいろな場面での姿が浮かび上 がってくることがあり、子供を深く知ることが出来ます。
また、この会議で、互いに対策を話し合うことは、そのまま問題の捉え方 や解決方法の貴重な研修の場にもなります。
ここでは、心理面からの子供 理解が重要な鍵になります。その専門家であ るスクールカウンセラーの同席を願い、助言を得て有意義な話し合いが出来 るように計画すると良いでしょう。教師集団だけでは単なる情報交換の場に なってしまい、マンネリ化する可能性もあります。「あまり意味がない」と 感じて止めてしまっては元も子もありません。
また、問題行動をする子供は、いろいろな背景(家庭問題や 地域の問題、 障害等)を背負っている場合があります。「担任の指導が悪いのでは」「私 の学級経営に文句は言わせない」等、学級王国的な意識では、現在の学校教 育はうまくいきません。「全校の職員で全校の子供を育てる」という職員間 の自由な雰囲気作りや連帯感も大切です。
いじめ現象で起きる自殺は、氷山の一角にすぎません。いじめは、不登校、 非行、子どもの萎縮した考えや行動など、学校生活に暗い影を落とすだけでな く、大人になっても受けた心の傷は癒えることはありません。ため込まれた攻 撃心は、反社会的行動を誘発させます。事件の陰にいじめが色濃く影を落とし ていることは、新聞紙上を注意深く見ていると実感できます。犯罪者の多く
が「ひどいいじめを受けていた」とよく報道されています。いじめ防止策は、 犯罪の減少にも大きな効果を果たすかもしれません。
「いじめ予防策を実施したい」と、本気で考えてみえる学校関係者や保護者、行政機関の方々に、ぜひ、この予防策を実施していただけることを願っています。
もっと良い対策があれば、それでも良いとは思いますが、私は今のところお目にかかったことがありませんので、これを推薦いたします。
どうか、いじめで今も苦しんでいるも多くの子供達のために、できるだけ早く、この対策を実施してくださことをお願い申しあげます。【対策2】も合わせて実施していただければより効果が上がります。ぜひ、ご覧ください。